鹿野学園8年生①「裏ももたろう 物語にない部分の話を想像してみよう」

活動目標:物語の背景を自由に想像してみよう。自由に表現することを楽しもう。
学習目標:「ツッコミ力」・「一緒にツッコミ力」

日時:2023年6月26(月)27(火)2・3校時(9:45~11:35)@王舎城学舎ランチルーム
進行:よりさん、高橋、ごっちゃん、コスー、れんれん、あおちゃん 撮影:まめ2号

6/26(月)
今年もまもなく半分が過ぎようとしています
空は曇り、あわよくば雨にじむ梅雨の山陰で過ごす日々、湿度じわじわ汗だーらだら〜!
みなさまおかわりないですか?
蒸し暑いですよねぇ、大丈夫大丈夫、明けない夜はない、明けない梅雨もない、ですよ、我慢!
でもこんな季節だからこそ、部屋の中にいても、空模様のうつり変わりに想いをはせられるような、そんな余裕を持つことが大事かなって思います
どうも、雨もしたたるいいをとこ、ひろこです
はじまりましたよトリジュク!
ひさしぶりの参加に少し緊張、やや放心ぎみのひろこは、前日まで福島県の山奥で神楽を踊ってわりと満身創痍(痛たた・・・)
でもそーんなこと少しも表に出さないのがひろこのいいところ(ゼエゼエ・・・)!
それじゃいってみよう!

・アイスブレイク
まずはジェスチャーゲームね
いつもはトリジュクスタッフが進行するのだけれど、今回は学生4人がリーダーになってゲームを進めてもらいます
あたしが中学生のころは、自分がリーダーになって物事を進めるなんて考えられなかったし、自分ごとじゃないっていうか、神さまか誰かのすることだと思ってたくらいなじみがないっていうか、ありえないっていうか、だからすごいよね、チャレンジよね!
(でもそんなひろこがどうして中学生の時に文化委員長やバレー部部長や応援団長をやっていたのか?というのは、また別のお話・・・)
さてリーダーをうけおった4人の運命やいかに???
ジェスチャーゲームとは、お題をうけてから、一人一人ストップモーションでそのお題を表現していき、最終的にそれが全体で何を表しているかを、観ている人たちで当てるというゲーム
さてさて4人の仕切りは、、、、、、う〜ん、、、あらけずり(泣)!!!
だれがやんねん!?のくりかえし(笑)!!!
でもがんばってるわよ、いいのよそんな感じで、だっていきなりできてたらあたしたち大人の立つ瀬がないじゃない(爆)!!!

ジェスチャーっておもしろいのよね、しゃべれば伝わるのに、あえて言葉をつかわずにっていう縛り、あたしすごい好きで、幼いころから言葉が苦手なひろこは身ぶり手ぶりでコミュニケーションすることに憧れたこともあったわ、言葉ってややこしいのよね、言葉にしたとたん離れていく何か・・・、触れたと思ったらもうあなたはそこにいないの・・・、好きって言って伝わるんなら世話ないわよ・・・・・・(遠い目)。
あ、気にしないで、これひろこの独り言、あれ?韻踏んでる?
脱線ごめん、だっせえコメント、やめてためてほめてつかわす、合わす、交わす視線、実戦、続くジェスチャーゲーム、aimしてOK? 3、2、1 GOのかけ声で投げた合図の放物線、動物園、アイドルのコンサート、ハリーポッター、最初の一人目、二人目、三人目はわからなくても、人がふえていくと何をしているのかだんだんわかってきておもしろいおもしろい!
言葉をつかわなくても風景が浮かんでくるのって不思議です
あたしこのゲーム好き。

・ももたろうにツッコミ
次は今日のメインワーク、昔話にツッコミを入れてみます
昔話ってわかりやすいのだけれど、え?って思うこと、ありますよね?
動物がふつーに会話していたり、神さまが強引に解決してしまったり、よくよく考えると無理があって、でもそれを当たり前のように登場人物たちが受け入れて物語が進んでしまうときもあって、さらにおいおい!って言いたくなる感じ。
細かいことは気にしない、不合理不条理ドンと来い、荒唐無稽ってこういうことよと、でもそこが昔話のいいところだったりするんですよね
たとえばあたしが昔話にツッコむとしたら、「昔々(いつ!?)、あるところに(どこ!?、)おじいさんとおばあさんが(だれ!?)、いました(雑!!!)」っていう感じでツッコむかしら
つっこもうと思えばいつまででもつっこめちゃうのよね、だからもちろんそこはさじ加減、これがいいよねっていうものをみんなで話し合って決めていこう!

今日用意したテキストは「桃太郎」の前半部分、桃太郎が桃から生まれて大きくなるまでです
配られた別のプリントに“〇〇にもの申す、△△!”とあるので、この〇〇の部分にツッコミたいキャラクターやものの名前を入れ、△△にツッコミたい内容を書いていきます
あたし生まれが東京だから、関西みたいなツッコミの習慣って正直ないのよね
いわゆる「なんでやねん!」ってやつ? あたしからしてみたら逆になんでそんなにツッコむの?ってツッコミたくなるんだけど、関西の人たちがみんなお笑い好きでボケてばかりかといったら全然そんなことないって気づいたのは、ごくごくさいきんのお話(恥・・・)
ツッコミって要は、なにかおかしいよって気づいてあげることなのよね
すごくおもしろいことやってるみたいだけど、そのままでいると変だよ?って無視せずに見つけてあげること、これってすなわち、わたしはあなたのことをちゃんと見てますよっていうサインだったりするのよね
お笑いっていうカバーを外してみると、ツッコミの文化って何かを発信した相手を受け入れてリアクションを返していく、キャッチボールの文化だという見方ができると思います
あたし、いいこと言った(嬉)!!!
それはさておき、みんなツッコミどころ探せたかな?

〇〇にもの申す、△△!
・桃太郎にもの申す、成長するのが早すぎる!
・おばあさんにもの申す、なぜ大きな桃を持って帰ったのか!
・おじいさんおばあさんにもの申す、誰の子供だよ!
・桃太郎にもの申す、食べた分だけ大きくなるのはなぜだ!
・おばあさんにもの申す、洗濯物と赤んぼうが入った大きい桃をどうやって家に持って帰った!

・「ツッコミ」に対する答えを考える
みんなのツッコミが出そろいました
みんなどうしてなかなかおもしろい視点ばかり、なるほど確かに言われてみればそうだよね、当たり前のように通り過ぎてしまっていることも、たちどまって見方を変えてみると、知らない景色が広がります
視点が変われば景色が変わる、景色が変われば考えが変わる、考えが変われば身体が変わる。
それはもう新しい世界!
まだまだワークは続きます、どうしてツッコんだのか、その理由を考え、さらにそれらを簡単なシーンとして創作してみましょう

〇〇にもの申す、△△!
→それは□□だから
この□□のところにツッコんだ理由を書き、より具体的に、より詳細に、もともとの物語にはない【ものがたり】をつくりだしていきます

・桃太郎にもの申す、成長するのが早すぎる!
→桃太郎がじつはカービィだったから

・おばあさんにもの申す、なぜ大きな桃を持って帰ったのか!
→じつはおじいさんが桃の中に子供を入れていた

・おじいさんおばあさんにもの申す、誰の子供だよ!
→ごく普通の桃の種がミラクルウォーターによって人形に変形した

・桃太郎にもの申す、食べた分だけ大きくなるのはなぜだ!
→おじいさんが山から採ってきた葉っぱに成長剤が入っていて、その葉っぱをおかゆに入れて桃
太郎に食べさせたら大きくなった

・おばあさんにもの申す、洗濯物と赤んぼうが入った大きい桃をどうやって家に持って帰った!
→おばあさんは毎日筋トレしているから

出てきましたねぇ、各グループそれぞれの視点と理由が出そろいました
これね、理由は理由でツッコミどころがあるのよね、いやいやいやおかしいでしょっていうエンドレスなツッコミが果てしない(笑)
それはそれで置いといて、今日の目標は小説や戯曲づくりではありません
今回のワークは、もともとある物語から、自分たちの物語を紡ぐこと、これが大事なことかと思います
有名な作品も他人事としてではなく、自分たちの視点でひもといてみると、案外身近なものとして読めるものもあります
だってギリシャ悲劇なんて、田舎の外に出たこともない我の強いおっさんたちが惚れた腫れただので大げさに騒いだり、田んぼの水をどこのだれが引いてくるだので大げさに喧嘩してるだけの話みたいなものだからね(個人の感想です)

・リフレクションシート記入
今日のワークはこれでおしまい、シートに今日の出来事を記入して明日のワークにそなえます
みんなおつかれさまでした!!!

6/27(火)
おはようございます!
ひろこ最近目覚ましが鳴る前に起きちゃって、なんかもったいないと思って二度寝するんだけど、その二度寝の時間ってすごい気持ちいいのよね、まどろみ? なんかもう無限に感じる時間なのよね、だからまた寝るのよ、だってまだ目覚まし鳴らないから、目つぶるのよ、もう起きてるんだから少しくらい楽しませてくれたまえよぉって、どうせ目覚ましかけてるんだからさぁ、いいじゃないちょっとくらい・・・あとちょっとあとちょっと・・・・・・・・・・ぐぅう、、、、、、で、セットした目覚ましが鳴る前に、「はいざんねーん!!!起きてます〜〜〜」って目覚ましを出し抜く、これがいいのよね、パッと起きれるよ

・省察活動
2日目の今日は、昨日のワークをふまえて、よかったところや、よりよくするためにはどうしたらいいかを練っていきます
今回はふせんによる整理法を使ってみました
企業向けのワークショップなどでは一般的ですが、演劇の世界ではあまりなじみがないかもしれないですね、あたしもほとんどやったことないです
ブレインストーミングの一種ですが、まずそれぞれの思うこと・考えていることなどをふせんに書き、大きな画用紙に貼っていきます
数はいくらでもかまいません、多ければ多いほど、細かいほどいいです
ほどよくふせんが集まってきたら、こんどはそのふせんたちを似たような意見のグループで分けていきます
そして、そのグループごとに名前をつけて、整理していき、、、etc
おおまかに説明するとこんな感じの整理法ですが、大勢の考えや意見をまとめるのにはとても適していると思いますし、何よりしゃべるのが得意でない人も参加しやすいのがいいところだと思います
さて、このふせんを使った整理法で、前日のワークをふりかえってみます
まず見本として、トリジュクのスタッフが昨日の自分たちのパフォーマンスをふりかえります
まず良かったと思うところは?
「わかりやすかった」「おじいさんの疲れ方が良かった」「おばあさんの声の出し方が良かった」などなど
そして改善点
「配置をもっと考えられた」「もっと適したセリフがあったはず」「ちょっとうるさかったかも」などなど
ふせんに書いてホワイトボードに貼っていきました
その際、ふせんを貼るたびに起きるまわりの人たちのリアクションが印象的でした
「なるほどぉ」や「確かに!」などの反応があると、自分の意見を差し出すだけでなく、同時にまわりと共有ができているという一体感を味わえる気がします

どんなことでも相手のリアクションがあると嬉しいものよね、それが言葉じゃなくても、うなづいたり、じっと目を見つめたり、体が自分の方を向いてくれていたりとか、なーんでも!
人間同士の情報の伝達って、意味内容が理解できるっていうレベルと、自分が目の前の相手と繋がっているかどうかっていうレベルがあると思います
あたしたちの身体ってとても些細なことをシグナルとして常に発信していて、同時に体じゅうのアンテナでまわりからのシグナルを受けとっているわ
それってすごいことよ、教わったわけでもないのに体は体で感じて考えて、その見えないやりとりであたしたちのコミュニケーションを支えてくれているのよ、ヤバいわよね
でもそれを言葉にするかどうかっていうのはまた別の次元のことだと思うわ、言葉にする力、言語化ってやつね
がんばれあたし!

さあ、こんどは学生たちの番なのよ
グループごとに分かれて、窓に大きな紙を貼っちゃうわ
でも最初はなかなかふせんが貼られないの、それはそう、あまりなじみのないことって躊躇するわ、あ、躊躇ってあらためて見るとすごい字ね、イカつい、あたしぜったい一人じゃ書けない
やったことないことはやってみようってことで、新しいことにもトライトライ!
だんだん慣れてきたのか、次々とふせんが増えていくグループもちらほら
やるわねみんな、要領がわかってはじめて勢いも乗るというもの、壁がふせんで埋まってく景色はいいわ、絶景よ、あっぱれなのよみんな!

・ブラッシュアップ
ではさいごに、出てきた改善点などをもとに、ふまえて、前日につくったそれぞれの桃太郎をブラッシュアップして再創作します
残り時間の中で、どこまでよりよく、もっとおもしろくできるか、各グループが試行錯誤をかさねていきます
この“よりよく”するってなかなかにくせ者なのよね、よくするって、一見ポジティブなこと言ってるけど、よくするためには今までつくったことをこわしたり辞めないといけない時もあるのよね
生みの苦しみ、育ての葛藤・・・雑踏、殺到、圧倒、やっと、やっとできたものに手をかけるのは、愛情なのか、愛憎なのか、はいそうですかとうなづいてみたものの、桃もすももも桃のうち、ものづくりって残酷の連続よね、そうね、でもそのスクラップ&ビルドに、“美しい”を見つけてしまうとき、あぁ、生きてるっておもしろいって思うの

ってそんなこと言ってる間に、いよいよ発表よ
二日間の間でどんな違いと変化があらわれるのか、これはトリジュクメンバーのもっとも楽しみにしていることでもあります
各グループとも、堂々としたもので、前日との違いをしっかりと演じ分けていました
いいところ・改善点をふせんを使って整理した経験が今後にもつながればいいなと思います
改善点の通りにできたかどうかも大事だけれど、参加者全員で、意見や問題を見える化して、共有しようとしたこと、その過程に今日のワークのおもしろみがあったと思います

雨もあがって空が晴れてきました
今日も自転車で散歩しながら帰ろうと思います
以上、報告おわります!
ひろこ