鹿野学園6年生③「見立てて、演じてみよう!」(2021年1月)

☆活動目標:日用品(スリッパ)を他のものに見立て、即興で芝居を創造する。
☆学習目標:(変なことでも)思い切りやる。自由に連想・発想する力を育てる。他者理解を促し、協力・協働する力を身につける。(即興で演じることで、)事態に応じて素早く考え、行動する力を身につける。

全体ファシリテーター:齊藤
グループファシリテーター:高橋・後藤・中垣
記録:奥田・藤木

++++++1日目++++++ 1/14(木)2、3校時

1. 伝言ジェスチャーゲーム(4グループ)
それぞれのグループに異なるお題を与え、ジェスチャーだけで伝えていく。
例題:「こたつ」「赤ちゃん」「掃除機」etc…

2. ペットボトルを他のナニカに“見立て”てみよう
みんなで輪になり一人ずつ、ペットボトルをナニカに見立ててワンアクション。
全員で「いいねっ!」
何も思いつかない人はバットに見立て、巨人の星のテーマに合わせて、スローモーションでフルスイング。

休憩

3. スリッパをナニカに“見立て”て、日常生活を演じてみよう(8グループ:各3人(2人のところには鳥劇1人が入る))
スリッパを、家の中にあるもの(いるもの)に見立てて会話をする。全員で「…って、スリッパやないかーい!」とツッコんで終わり。
話し合い&練習→発表

4. リフレクションシート記入

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この日は、担任の先生から子ども達のテンションが低いと聞いていたが、静かにじっくり楽しみながらやっているという感じがした。落ち着いて楽しむことができる学年のようだ。
①伝言ジェスチャーゲームでは『言葉』が使えない分、『表情』がおもしろいくらい豊かで、言葉で説明するのと同じくらい気持ちを表現していた。「俺もわかんねーんだよー!」とか、「どう?わかる?」とか、「うーん?一体これはなんだ??」という言葉が聞こえてきそうな。“目は口ほどに物を言う”とはこのことか。
②ペットボトルを別のナニカに見立てるいわゆる『モノボケ』は、「わからない。できない。」と拒否する子はおらず全員がやれた。本当は思いつくのだろうけれどバットネタをやってくれたYくん。大人が補助しようと動く前に、周りの友達がスッと出てきて、ピッチャー・キャッチャー・審判の役になり見事なチームワークを見せてくれた。鳥劇が用意したオチネタも取りこぼさず楽しんでくれてありがとう。
実はペットボトルの他にも様々なグッズを準備してきており、次のワークで「この中から好きなモノを自分で選び、少し長めに動きをつけてやってみよう」と発展させる予定でいたのだが、ジェスチャーゲームに時間を使ってしまい(1グループお題2回やった。1回でよかったか。)やむなくカットした。
休憩時間―ヘルメット・サングラス・やかん・コップ・新聞紙etc…のグッズに興味を示し、遊ぶ子ども達の姿が。使えなくてごめんね。
③スリッパ劇の話し合いは、3人1組という少人数編成にしたことが良い効果を生んだ。発表ではTくんが「もっと大きな声でやって」とチームメイトに発破をかけもう一度やり直すという場面も。練習の時から、「台詞がかぶると聞こえないから、僕がこう言ったらこう言ってね」と意欲的に声かけをしていた。また、スリッパをミカンに見立て、ひたすら剥いて食べ続けるという演技をしていたKくんには思わず大人も見とれてしまった。スリッパを包丁に見立て→刺して「痛くない」→「ってスリッパやないかーい」とノリツッコミの構成をしっかり表現したグループもさすがだった。
④リフレクションシートより、以下、子ども達の感想を抜粋。
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①伝言ジェスチャーゲーム
・伝えるのが難しかったけれど、いろいろなポーズがおもしろかった。
・人のを見ていて、がんばって伝えようとしているところがおもしろかった。
②モノボケ
・何を言っても、「いいね!」と言ってくれるのでよかった。
・はずかしかったけど、みんながんばっていたから、おもいっきりやってみた。
③スリッパ劇の話し合い
・おもしろいアイディアがでた。
・みんなで出した意見に「ああいえばこういう」みたいなことをしなかったからまとまった。
・班で話し合いしていて、自分の意見をわかってくれた。
③スリッパ劇の発表
・どのチームもおもしろくて、ちゃんと伝わったのがうれしかった。
・みんながやさしい目でみてくれるから発表しやすかった。
・表鷲科で、みんなの想像力がよりゆたかになっていると感じた。
○今日の感想
・あまり、いっしょにしないチームだったので不安はあったけど、やってみると、けっこう良い結果が出てうれしかった。
・ものを他のものとみて考えるのは難しいけど、カチッとスイッチが押されたら楽しくなった。想像を広げていったら何にでもなるのではと思った。

++++++2日目++++++ 1/15(金)2、3校時

1. 先生による省察
楽しくやっているから表情も良かった。人に一生懸命伝えようという必死さが伝わってきた。
何度も同じ動きを頑張って繰り返してたのはどんな気持ちで?
子ども:「僕もわからなかったから同じ動きを繰り返した。」「自分が答えがわからないからアレンジのしようがない。」
とても上手く話し合いが出来ていたと思う。どうしてだろう?
子ども:「話し合いに慣れてきた。」「人数が少なかったからまとまりやすかった。」「表鷲科をやる度にレベルアップしているから。」

2. ファシリテーター齊藤による省察
今まで、リフレクションシートに話し合いのことを書いている人は少なかったんだけど昨日は結構いて、みんなも「今日の話し合いは上手くいった」と思ったのかな。発表では、「いいね」と自分がやってることを認められる、承認されるとやりやすいってみんな気づいてきたんだね。のっかってあげることを大事にしてるってことじゃないかな。昨日は、表鷲科の『つながる・やりぬく・表現する』という目標の『つながる』『やりぬく』がみんなしっかり出来ていたと思う。今日は、『表現する』をもっと頑張って、表現力アップを目指そう。
大きな声と動作
“見える”ように
なりきって、やりぬく
関係が見えるように

3. スリッパとランドセルをナニカに“見立て”て、演じてみよう
昨日の作品をレベルアップさせる。あるいはお題「日常の朝」にこだわらず新たにシーンを創作するもよし。

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ランドセルの使い方に苦戦していた様子だったが、新しい展開にしたいという意欲がみられた。
スリッパがいくつも連なっている形を見てブーツに発想を飛ばしたグループがお正月番組格付けチェックの一場面を演じていた。形からの気づき・発見があった。
・・・のだが一方で、「形に縛られず、いかにそれと思い込むか」の方がおもしろいと気づいてもらうには?という我々の課題が生まれた。
× 合体しない。形を似せない。大きさを気にしない。道具に使われるな。
◎使い方で見せる。発想する。自分がやりたいことを自分が使いたいように使う。
1日目:信じて思い込む力、やり切る力を鍛える。
2日目:発想を広げ、それを楽しむ。
ワークのブラッシュアップを考えたい。