鹿野学園5年生12月(4回目)レポート
鹿野学園5年生WS 2018年12/4(火)9:40~11:30、12/5(水)13:50~15:25
●学習目標 4、5年生の表現ワークショップを振り返り、自分ができるようになったこと、自分の成長を実感する。
●活動目標 4年生以下の学年に表現ワークショップの魅力を伝えるビデオを作る。
ファシリテーター:中島
アシスタント:中川、後藤(齊藤に交代)、高橋、赤羽、藤岡
記録:生田、奥田、浜田
●1日目
1 今までやったゲームの中でやりたいゲームを選んでやる。
2 表現ワークショップクイズ
→生活班(5班)に分かれる
3 生徒たちにリフレクションシートを返却して振り返る
4 表現ワークショップの面白さを劇にして、ビデオに残す。
5年生の3セット目のワークショップは、今年度最後の表現ワークショップであり、
流沙川学舎で取り組む最後のワークショップでもある。(鹿野学園では、1〜5年生が流沙川学舎、6〜9年生が王舎城学舎に通っている)
その総まとめとして、4、5年生の間で取り組んだ表現ワークショップを振り返り、
その面白さを下学年に紹介するためのお芝居を作る。これが1日目の目標である。
●ゲームを選ぶ
子供達に今までの表現ワークショップで取り組んだゲームで、やりたいゲームを選んでもらう。
ゲームのタイトルをホワイトボードに張り出し、タイトルだけで思い出してみる。思い出せないゲームは、中川が補足で説明を入れていく。この日に取り組むゲームは投票制で決めた。
・取り組んだ記憶が楽しいものの反応がいい。
・生徒から投票が面白かったという意見と面白くなかったという意見、両方あった。
・ゲームは「集まってポン」に決定。
●集まってポン お題:「好きなスポーツ」、「麺類といえば」
・好きなスポーツ、麺類「ない」「全部」というのがあったのが良かった。
・「一つ選ぶ」というカテゴリーから外れているのに言えるのがすごい。
・3,4年生みたいに、体を動かすだけじゃない頭を使うゲームを選ぶ所が5年生らしかった。
●表現ワークショップクイズ
過去の表現ワークショップの写真を見て、クイズ形式で何をしているか思い出して振り返る。
書くことによる「思い出し」が狙い。
・あるチームの生徒が暴走して、ひとりでどんどん勝手に書いてしまった。
・1年以上前にやったゲームや最初の表現ワークショップのことを覚えている。
・チーム内で役割分担(みんなで何をしている場面か考え、チームの誰かが書き込む)をしている。
・「詩を書いてる」が思い出せなかった。
・「青山学院大学」をちゃんと漢字で覚えて書けていてすごかった。
●リフレクションシート返却
これまでのリフレクションシートを見て、自分に変化があったかを考える。
・「自分の字が綺麗になった」とか、「漢字が増えている」など表面的なところから、
「書くことがテキトーになっていっている」、「感想が簡単になった」など。生徒によって
見方がちがっていた。
「RSいらない」との声があり、あまり活用できていなかった。
→見てくれればそれでよかった。想定内なので問題ない。
●休憩
●表現ワークショップの面白いところ(魅力)を3つ考える。
全体的に、「女子が考えて男子を動かす」という流れができているようだ。
男子だけ、女子だけというグループにならないようにバランスをとっている。
各班の3つのキーワード
1班 (赤羽)
色々なアイデアを出しあっていい劇を作れる
協力する力、チームワークがアップする
自分にあった役を楽しく演じることができる
2班 (中川)
面白さ
自由、但し決められた中での
みんなで協力、モメるときもある
3班 (藤岡)
自由にできる
人や自分たちのを見て、よりよくする
表現したり、意見を出しあうのがいい
4班 (齊藤,後藤)
他の班の発表を見れる
クラスの流行語大賞を作れる
みんなで考える、教科書がない
5班 高橋
自由
協力
表現
このキーワードから一つテーマを選んで、テーマを表現したお芝居を作る。
1班 赤羽 キーワード:自分に合った役を楽しく演じることができる
・全員活発だった。
・Sくんの暴走がすごかった。女の子がツッコミ役。
・1日目のチームの感想に「協力してよ」「目的と離れて不安」と書かれていた。
・このチームにいるMくんの俯瞰能力、ボキャブラリーが上がってきている。状況を冷静に見ている。
・Sくんがやりたい役(ライオンより強いウサギの帝王)になりきって、自分勝手にどんどん進める中で、Mくんが「どこで終わるの?」「ちょっと待って、目的と違う」と。
・積極的にやりたがるSくんも素晴らしい。
2班 中川 キーワード:面白さ
・魅力のアイデアがポンポン出ていた。
・スルーされがちな男の子の発言を中川が拾っていた。スルーするのは女の子の照れ隠しなのか?
・「(小道具に使う)本を借りに行こう」→その本に夢中になってしまう女の子がいた。
・スリッパで小道具ができた→できた瞬間を映像に取り入れた。
・男の子の発言「確かに自由だなぁ」「普通こんなことしない」というセリフも取り入れた。→表現ワークショップをよく表している
・撮影の順番待ちをしている間にテンションが下がってしまった。
3班 藤岡 キーワード:人や自分たちのを見てより良くする
・テーマ、内容はすぐに決まったが、流れを決めるのが子供だけでは難しかったので少し導いた。
・アイデアを出す生徒、台本を書く生徒と役割分担されていた。
・男の子(以下Bくん)があまりついていけず、役をやりたくないのか動画を撮る役をやりたがっていた。
・本当にやれなさそうならそれでもいいけど、やれると思う。
・アイデアを出した生徒が「Bくんはアドバイス係だからでないといけん!」と必ず出演するべきと発言。
・Bくん「おなかすいた」集中できてなかった?
4班 後藤→齊藤 キーワード:みんなで考える、教科書がない
・Kくん、途中で退屈そうだった。おなかすきすぎ?筋肉痛か?
・冷静に意見を言うようになった。
・みんな落着いているけど少しネガティブなところがあった。
・映さん、今回は暴走気味だった。
・お腹が痛くて集中できないKくんを取り込もうとして、
チームの生徒が「流行語大賞」「おなかがいたい」など突拍子もないアイデアを出していた。
・今回はみんなつきあっていた。
・他を否定するような「算数やらなくてすむ」に対して、チームの生徒「それはやめよう」→こういうことを言える感じが表鷲科っぽい。
・担任の先生も撮影に取り込んでいた。「生徒にイヤがられそうな先生」の演技をノリノリで演じてくれていた。
5班 高橋 キーワード:自由
・国語の授業風景という設定。
・漢字の読み方を生徒役の男の子が全部まちがえたあと、表現WSの時間へ。
・表現ワークショップになった時のセリフ「自由〜!」
・Aさん、どんどん台本を書くようになった。かっちり決めておきたがる傾向あり。
【1日目を振り返って】
チームごとで進捗に差があるものの、生徒全員が関わり合いながら考えている印象。
体調が悪い生徒が関われる形を模索したり、出演の役割から離れようとする生徒を出演する上で「必要な役割だ」と提示して引き込もうとしていたり、「みんなで作る」ことが5年生に染み付いていると実感した。
鳥劇が想定していたよりも、表現ワークショップで取り組んだことや、関わった大人のことを覚えていた。子供の記憶力はすごい。
2日目には、この日作ったお芝居を下学年に向けたビデオメッセージとして撮影する。
1日目は齊藤班・中川班の2班が撮影までこぎつけた。
取り組んでいる内容が難しいので、大人がどんどん導いていく必要があると感じた。
●2日目
2日目に取り組んだ内容は以下
・省察
振り返り動画
先生による省察
→1日目の生徒の取り組み どんな取り組みをしていたか。
・お芝居の完成・撮影
・みんなで撮った動画を見る
【振り返りの様子】
振り返り動画を見た後、
担任の先生による振り返り。
普段鹿野学園の授業で取り上げている、
「表鷲科で身につけたい力」や「10の物事の考え方」という観点に絡めつつ
1日目の生徒の取り組みがどうだったかを振り返った。
どんな考え方があるかを全員で確認し、生徒同士でどんな力や考え方をつかっていたか話し合う。
・帰ってきたリフレクションシート(過去の自分)と最近の自分を比べる。
書く内容が適当になった→最初は緊張して感想を書いていたけど、慣れてきてサラサラっと書けるようになった。自分の気持ちが書けるようになった。思ったことを詳しく書けるようになった。
普通の授業と表現ワークショップを比べた。
・この日やりたいゲームを順位付けする・『あつまってポン』「麺類といえば」というお題を受けて、生徒が思う「麺類1位」で集まった。→並べる力・順位付けする力
・クイズで答えを「予想」した。
・つなげる力→中川班生徒「自由と自由の女神」
・まとめる力→下学年に伝えるために面白いところをまとめた
・かきかえる力→自分たちで言葉にしたアイデアを台本に書き換えた。(高橋班、藤岡班)
→自分たちでアイデアを出し合う時に話していたことをそのままセリフにした。
撮影時間は班によってまちまち。
結果的に、全班の作品を見終わった時は授業時間が終わってしまっていた。
時間が伸びてしまったことがいちばんの反省点である。やはり、取り組む内容に対して時間が足りないことが今年度のワークショップで大きな課題として出ている。時間内に完全に終わらせられる取り組みを重視するか、取り組む際の面白さを重視するか。
今後も、考えていかねばならない。