鹿野学年9年生①「思い出演劇」(2025年6月)

日付:2025年 5月 29日(木)2~3校時・30日(金)2~3校時
進行:より
サポート:安田っち、大田、せんちゃん
撮影:おくさん

・活動目標:中学校生活をまとめて振り返って、お芝居にしてみよう。

・学習目標:これまでの’自分’を俯瞰してみる。見逃しがちな小さな出来事に面白さを見出す。
「詳しく振り返る力」・「身近な面白さ発見力」
学校生活全体を題材にするということ、かつ、選んだ理由を他者に説明する必要があるということから、出来事を細かい所まで思い出し、自分がそれを選んだ理由を考える必要がある。また、ワークに取り組む中で、より具体的で細かいことが分かっている、一見すると他愛のない事柄の方が創作に向いていて、そこにこそ面白さがあることに気が付く必要がある。

※この先の段階として、ユニークな面白さが発現した時に、その面白さが全体で共有されるという状況が考えられる。そこまで達成できれば、なお喜ばしい。

 

事前作業:中学校生活を振り返る1
個人で作業。中学校時代の出来事を「面白かったこと」「嬉しかったこと」「ムカついたこと」「悲しかったこと」「悔しかったこと」「怖かったこと」「びっくりしたこと」「どきどきしたこと」など、それぞれに当てはまる事柄を具体的に思い出して書いてみる。※学校以外のことでもOK

 

● 1日目
1. アイスブレイク【タオルバレーボール】(2グループ/15分)
グループに分かれて、タオルを使ったバレーボールに挑戦。
「とにかくたくさんラリーを続けてみよう」というシンプルな目標のもと、体をあたためていきます。
バレー部の生徒さんが高くトスをあげる姿や、タオルを工夫して結び直す姿も見られました。また、クラスの人との自分間でタオルボールが落ちるたびに、静かに悔しがる表情も見えたり。大きな声をあげて笑うというより、じっと集中しながら、静かに楽しんでいる様子が印象的でした。

2. 中学校生活を振り返る②【思い出インタビュー】(4グループ/25分)
事前ワークで書いた「思い出」を持ち寄り、グループのみんなに共有していきます。
相手の話を深掘りしてみます。「それはどんな場面だった?」「ほかに誰がいた?」「どんな気持ちだった?」「それって楽しかった?」などなど。
グループメンバーの意見に対して1人のエピソードに対して、問いかけたり、「こんなこともあったよね!」と言い合いながら、思い出を掘り下げていきました。

共有されたエピソードは…
・運動会でゆかたを着てみんなで写真を撮ったのが嬉しかった
・入学式の日、まだ慣れない制服をがんばって着たこと
・昼休みに、授業や休日の出来事を話して盛り上がったこと
・国語の授業で間違った読み方をしてしまった時、先生がやさしく教えてくれたこと
・演奏会でお客さんがノリノリで踊ってくれたこと
・リレーで優勝した喜び
・最初のテスト返しで感じた緊張感
などなど…。

せんちゃんのついていたグループでは、みんなにとって共通の体験には「そんなこともあったね」と記憶が連鎖し、個人的な体験には「へえ」と興味深く耳を傾けていて、穏やかな聞き合いをしていました。

休憩を挟んだあとは、お芝居をつくる時間!
インタビューで選ばれた“ひとつの思い出”を、グループでお芝居にします。鳥劇メンバーが例として実演をします。

ここではルールが3つ!
・一人ひとつ以上のセリフを入れる
・人間以外の動物やモノを登場させる
・「スローモーション」または「ストップモーション」にする

「どんな登場人物にする?」「ピークをどこにもってくる?」「どんなセリフにする?」などと話し合いをしながらつくっていきます。さすが、トリジュクを何度も経験している9年生、どんどんとつくっていきます。

発表タイムでは…
・部活のキャプテンになった子の体験。号令をかけても誰も集まらなかった1年目と、1年後に自然と集まってもらえた!
・吹奏楽の発表会。客席から出てきた子が踊ってくれて嬉しい!
・授業の最後にダンボールを畳もうとして、思った以上にぐしゃぐしゃに壊してしまい、友達も一緒に巻き込んで先生に叱られた。その時「自分がやりました」と名乗り出た瞬間。

最後は、リフレクションシートを記入して終わり。今日の活動をふりかえり、自分なりの気づきや感じたことを言葉にして「表現するって楽しい」「恥ずかしいけど、やってみたら面白かった」といった声もありました。

 

● 2日目
最初は、 省察タイム。「自分のいいところ」を考え、隣の人の良さを伝え合う活動からスタート。
この日は、自分自身をより客観的に見つめることからスタート。
「自分のいいところ」を考えたあと、隣の人の良さを言葉にして伝え合います。

「前よりも積極的に発言するようになったよね」
「たくさんアイデアを出してくれる」など、具体的な言葉があがり、それを聞いてうなずいたり笑顔を見せる生徒たちの姿がありました。
他者に認めてもらうことの嬉しさを、静かに味わっていたように感じました。

2日も体をあたためるためにタオルバレー!

さて、今日のお題は、「全員の分のお芝居をつくる」ことです。
各グループで、メンバー全員の思い出をつなげて、ひとつの作品に仕上げます。思い出を出した本人が“監督”となり、役割分担や見せ方を決めていきます。限られた20分間の中で、5〜6人のグループがテンポよく役割を決め、セリフの流れや構成を組み立てていく様子には、9年生らしい頼もしさがありました。

発表タイム
・テスト中、それぞれの頭の中で考えていたことをセリフにしてつなげる作品
・接戦だったバレーボールの試合。最後に逆転されてしまった場面
・授業中に先生と少し言い合いになったエピソードを再現
など、それぞれの“思い出”が、物語として立ち上がっていました。

 

◎最後に
全体を通して、静かに楽しんでいる様子がとてもよく伝わってきました。
進行のよりさんから、「これからは、自分が楽しんでいることをもっと表に出してみて」というコメントをお渡ししました。そして最後、生徒さんからから「今までありがとうございました」という感謝の言葉をいただきました。こうして、9年生とのワークショップはしめくくられました。

卒業まであと少し。思いっきり駆け抜けてください!