鹿野学園7年生①「脳内会議を考えてみようby日影」(2024年6月)
◇活動目標:脳内会議(行間)を考えてみよう。
◇学習目標:物事の因果関係を考える。隠れている(隠そうとしている)思考、感情に着目する。
2024年6月19(月)20(火)2・3校時(9:45-11:35)@王舎城学舎ランチルーム
進行:齊藤 GF:後藤・松下・小菅・中川 撮影:奥田・田中
見慣れない衣装を身に纏い、手や足を動かしつつ発声練習をする3名と、それを指導する長髪のジャージ姿の何者か。コーチ、シオリーヌ、先輩、マヤと名乗るその4人は『日陰劇団』という演劇集団に属するそうです。会場のランチルームへ入ってきた生徒さんたちは、そのただならぬ存在を感じながらも、グループごとに席へ座ると、挨拶のあと、日陰劇団の自己紹介から、その日の授業がスタート !
①アイスブレイク「しかし」ラリー&日陰ウォーク&「しかし」リレー(25分)
アイスブレイク「しかし」ラリー&与えられたお題に、「しかし」に続く形で応答していく。内側を向いた円形の形で、日陰劇団メンバーから「しかし」のカードを渡された生徒が番となる。お題「ここにケーキがあります」→「しかし、腐っています」、お題「ここにケーキがあります」→「しかし、食品サンプルなので食べられません」というように答えていく。
はじめは考え込み、沈黙が続く場面がありましたが、誰も離脱することなく、全員がラリーを完遂。ここでさすがの日陰劇団、まだまだ生徒さんの硬い様子を察し、全員で歩き、ストップモーションをするタイムで、場をほぐし直しました。
その後、さらにお題を変え、何周か行ったあと、「しかし」リレーに突入。隣の人が言った言葉に対し、さらに「しかし」で続く文章を繋げていくリレー形式。「明日から夏休みだ」というお題に対し、リレーを繋げていきます。生徒さんは、まだまだ恥ずかしそうな様子もありつつも、前の人の言葉からアイデアを得て、話題をつないでいくことができました。(「宿題」にまつわる発話が多かったのが印象的 !)
②脳内会議を考える1(20分+発表:15分)
4つのグループに分かれる。お題は、「図書館で棚にある本をとったら、そこにお金が挟まっていたしばらく考えて、図書館の人にそのことを告げる(OR持ち去る)」という状況の、自分の頭の中の会話を考え、演じる。自分の意見は「しかし」で始め、最後は「だから、ネコババする(告げる)」で終わるようにする。他者の意見は、必ず「なるほど」と言って受け入れるようにする。
グループに分かれての話し合い。グループの意見はさまざま。「絶対告げるべきだよ!」という意見が強い班、「ネコババしちゃおうよ!」という意見が多い班、バランスよく「告げる」と「ネコババ」を混ぜながらつくっていく班など。
つくり方もさまざま。「おもしろいことが思いつかないよ」と言いながらも、鳥劇メンバーのサポートを得ながら、少しずつ会話を紡いでいく<ぽつりぽつりと制作型>、アイデアをたくさん出す人と、中心でそれをまとめる<バランス型>、「盗むとか、もうそれは犯罪じゃん!」と議論の形式で、すでに会話を書き起こせば、台本ができそうな<議論型>。
発表タイムでは、台本は完成しない状態でも、果敢にアドリブで切り抜ける班もありながら、個性豊かでグループの特徴が出たアウトプットに。一発目から型破りなアイデアをぶちこむ面白いポイントや、声の小ささから伝わりにくい瞬間もあったりと、2日目に繋がる場面も見つかったところで、1日目は終了 !
●1日目を終えて
クラス全体の雰囲気としては「やるべきことを真面目に」という感じで、1人も離脱することなく、最後の発表までやり遂げることができました。ただ、それゆえに、少し雰囲気が固い印象が。例えば、話し合いの中で出ていた、遊びのあるアイデア。真面目にやろうとするあまり、それが創作の中に盛り込まれず、お蔵入りに。2日目は、気軽に自由な発想を出せるよう、空気をもっとほぐせたらいいな〜という話ができました。
2日目
③省察タイム
前日のグループ創作のやり方を振り返ります。前日の話し合いの動画を見て、他の班と自分の班を比較しながら、「いいところ」「もっとよくしたいところ」を見つけて、聞き合いました。自分の班のことになると、いいところよりも改善点がたくさん出てきたところに、自己反省力の高さが見られました 。
④脳内会議を考える2(20分+発表:15分)
引き続き、脳内会議を考える。結論を自分たちで決めて、やりとりの数は5往復にして、台本の形にする。キャラクターのシートの中から、自分のキャラをひとつ選び、どのように表現するかを考え、発表までつくりこむ。
グループ合体・欠席などにより、構成メンバーが変わった班もあり、戸惑いが見られる班もありましたが、前日の自分たちのことを振り返ったこともあり、話し合いが活性化する班もありました。
キャラクターを決めるところでは、多いに盛りあがり、長らく一緒に過ごしているクラスメイトに「君はこれが似合うよ」とキャラ設定を渡す場面も。キャラクターの表現の仕方については、鳥劇メンバーから沢山アドバイスをもらいました。台本を1から作り直しながら、キャラクター付けもして、、、と作業が盛りだくさんな中、時間ギリギリまで制作をして、なんとか発表まで漕ぎ着けることができました !
●2日目を終えて
話しあい・制作のタイムコントロールについて、が大きな議題。班の間でのバラつきがある場合でも、時間が来たら発表をさせるという方法で統一していく方向となりました。2日目が、「台本をつくり直す」ことを許容したため、「キャラクターを考える」ことと同時進行で作業をする必要があったために、やることが多くなり、制作に時間がかかったのかも。学年のカラーに合わせて、与える課題の量は調整していけるといいね!という話があがりました。