鹿野学園6年生 2018年10月レポート2セット目

鹿野学園6年生 表鷲科 表現ワークショップ レポート

活動目標:撮影アプリ「ドリコマ」を使って作品を作る
学習目標:協力することについて考える

ファシリテーター:藤岡千夏
サポート:齊藤頼陽・中川玲奈・大川潤子・中垣直久・後藤詩織・赤羽三郎
撮影:生田正・奥田有紀子・浜田連珠

『1日目』 10/1(月) 2・3限 9:45〜11:35
1、オオカミとヒツジ
運動会の赤組、青組、黄組の3グループに別れて実施した。チーム内で鬼役であるオオカミ役と母ヒツジ役を決める。残りはヒツジの家族になり、母ヒツジを先頭に前の人の肩に手を置いて一列になる。
オオカミは一番後ろのヒツジにタッチできれば勝ち。ヒツジの家族の列が切れてもオオカミの勝ち。

制限時間(1分)以内にオオカミがタッチできなければヒツジ達の勝ち。
それぞれのグループで2回実施、1回目の実施後に作戦会議タイムを設けた。

〈振り返り〉
・本来は1グループが5、6人で実施するのが適当だと思われるゲームだが、実施時間を考えて倍ぐらいの人数で実施した。その分、動きが取りづらそうではあったが、作戦を考え実行する楽しさがあったようだった。
・人数が多い分、制限時間を長めに設定したのが、ちょうど良かった。
・1回目の実施時は、男女でパキッと別れて、列になるときも遠慮していた(男子が女子に触れたがらないなど)が、
作戦会議がすごく盛り上がり、2回目は男女入り乱れて活動していた。
その甲斐あって、2回目はどのグループもタイムを伸ばしていた。
・こちらが提示する前に「作戦を考えても良いですか?」という子どもがいたり、
「ヒツジじゃなくて猫の家族でもいいですか?」「自分がお父さんでいいですか?」
と設定を大事に楽しむ子どもがいたり、積極的に楽しむ子どもが多かった。

【10分休憩】

2、「ドリコマ」を使って作品を作る
まず、「ドリコマ」でどんなことが出来るのかイメージしてもらうために、
「コマどり」作品をいくつか見てもらい説明。
その後、6チームに分かれ、
・「ドアすり抜け」「椅子が動く」「瞬間移動」といった見本の「コマどり」作品の完全コピー
・上記の見本作品に一工夫加えた作品
を撮影する。

〈振り返り〉
・円滑な理解を促すために、見本は簡単なものから提示するように心がけたい。
 時間があるのであれば、いきなり作品を作るのではなく、
 小さい作品を作るところから始めると全員が参加しやすくなるのではないか。
・理解する時間を取るために、同じ見本動画を繰り返して見せるのは効果的だったようだ。
・すれ違いのトラブルから最後に活動が停滞してしまったグループもあったが、
 全体的に積極的に参加していたように見受けられた。
 どのグループもリーダーとして引っ張る子どもはいても、その子に任せっきりにせず、
 みんなが活動に参加していた。

『2日目』【省察】 10/2(火) 2・3限 9:45〜11:35

【内容】
1、写真・動画を用いた振り返り
(1)子供達の笑顔の写真と全体活動(オオカミとヒツジ)の活動記録動画を切り取ったものを動画にまとめたものを鑑賞
(2)藤原先生がご自分が撮影された写真で振り返り
(3)グループ活動をそれぞれのグループについていた鳥の劇場のメンバーが写真や動画を使って振り返り

〈振り返り〉
・写真や動画を楽しんで見ていた。先生からのツッコミにも笑顔で応じていた。
・先生が振り返りで使われた写真とこちらで用意していた写真が似たようなものが多く見られた。
 お互いに撮影した写真を事前にすり合わせが出来る時間がとれると良いのかも。
 先生方は子どもの笑顔を撮るのが上手いと思われるので、可能であるならば写真の撮影を先生に委ねてしまい、
 こちらは動画の撮影に徹するという方法も効果的かも。
・振り返りで取り上げることが技術的なことに偏ってしまった。
・前日に活動が停滞してしまったグループの振り返りでネガティブなワードを多く出してしまった。
 そのような時は細かく追求せず、起こった事柄を淡々と報告する形式にした方が良いのではないか。
・大人たちの振り返りを受け身で聞く時間が長くなってしまったので、
 途中で発語を促すようなやり取りを挟むことも心がけたい。

【10分休憩】

2、「ドリコマ」を使って作品を作るに再チャレンジ
振り返りをして、他グループの作品も鑑賞したところで、自分たちの作品の気になったところを改善することを目標に作品作りに再チャレンジ。前日に作った作品をブラッシュアップしてもいいし、新しく作品を作り直してもいい。

〈振り返り〉
・「大人たちの振り返りを受け身で聞く時間が長くなってしまった」
 「テーマや場所選びといった作品作りの自由度が高すぎて、作業目標を定めるのが難しかった」といったせいか、
 作業に取り掛かる時に子どもたちのエンジンのかかりが悪かった。
 しかし、一度スイッチが入ると一気に作業が進んでいき、
 出来上がった作品はどれも前日の出来を凌ぐものだった。
・「テーマや場所を限定する」「ブラッシュアップするポイントをはっきりさせる」等の工夫はあった方が良かったかも。

3、出来上がった作品の鑑賞と評価
それぞれのグループの作品を鑑賞する。その際、自分たちの作品の見所をアピールしてもらう。事前に用意しておいた評価シートを配布。加点方式で他のグループの作品の良いと思った所を評価する。

〈振り返り〉
・自分たちの作品がどのように見えているのかは気になるようで、渡された評価シートを食い入るように見ていた。

『二日間全体の振り返り』
前回の活動(2018年6月実施)を楽しんだ記憶が強く残っていたようで、始まる前から子どもたちのワクワクしている様子が感じられた。
すれ違いのトラブルから活動が停滞してしまったグループもあったが、
皆が傍観者になることなく率先して活動に参加しているように見受けられ、
どのグループの作品も素晴らしい仕上がりになっていた。
 WSの内容や進め方もさることながら、省察の時間をより上手く使っていくことが、一番大きな課題なのではないかと思われる。
私たちが用意した資料と先生が用意された資料の内容が似たものであったこと、子どもたちが受け身になって聞く時間が長くなってしまったことが具体的な問題点として挙げられる。
これらを解消するために、「こちらが用意した資料を元に事前に先生と打ち合わせる」、「一方的に話すのではなく、問いを投げかけ答えを求めたり、可能であれば体を動かすことをする」といった工夫をしていきたい。