鹿野学園6年生①「ちょっとだけお芝居の台本を書いてみよう」(2024年6月)
★活動目標:セリフが出てくる“状況”を想像してみよう。“状況”を想像しながら、セリフを考え、実際に演じてみよう。
☆学習目標:「状況想像力」・「関わり力」
与えられた条件から、「登場人物」・「それぞれの登場人物がその前に何をしていたのか」・「登場人物同士の関係」といった状況を細かく想像して、その登場人物が“喋りそうな”セリフを考える。後半は少ない人数での活動になるので、より主体的な関わり、より深い他者との対話が必要とされる。
2024年6月10(月)・11(火)2・3校時(9:45~11:35)@王舎城学舎ランチルーム
進行:より 補助:小菅、後藤、松下、安田 撮影:奥田、田中
1日目
●アイスブレイク〈イス取り鬼〉
はじめから前のめりな彼らは1回目の挑戦から工夫を盛り込んでいた
・イスを内側に向けて四角く囲み、全員が順番に1席ずつずれる
・余る1脚を真ん中に置き、残りのイスでそれを囲んでバリケードする
など先生(鬼)を長い時間座らせないよう楽しんでいた
途中先生が座り損ねて尻餅をつくシーンもあった
作戦会議をしてから2回目の挑戦では、新たに先生の気を引く作戦
(彼らは『言葉攻め』と言っていた)が多く見られた
先生が飼育しているウーパールーパーが椅子の上にいると言ってみたり、「先生、好きです!」となんだかドキドキする言葉で先生が動けなくなったりと時間稼ぎの技を使っていた
他の班では大人数で素早く入れ替わり続けることで、どこに座れるのかわからず先生が困惑していた
●「うん。」を考える
「うん。」と言う時のシチュエーションを考えるワークだが、彼らは全員、恥ずかしがらずに演技までつけて発表した
自分とはかけ離れた人物と状況で
自分が経験したことのある状況で
彼らの持っている豊かな想像力が垣間見えた
●「穴あき台本」
学校の休み時間、4人が登場する設定で鳥劇が用意したテキストの最後のセリフと4人の状況(宿題をしたかしていないか、そのことに自信があるかないか、キャラクター)、タイトルをそれぞれ考える
今回の6年生は
楽しむ力があり、遊ぶのが上手
何かしたい気持ちが強い人たち
状況を思い浮かべて細かく具体的に考えることができる
《出てきたキャラクターの一部》
変態(喋り方が変態)
嘘つくのがチョー下手
天才
ネガティブ
発表ではみんなが笑う面白さを求めている班や、淡々と丁寧に演じる班があった
まず全部の班が劇を作って発表まで持っていけたことがすごい
その中でもいろんな方向性が見られて面白かった
2日目
●省察
『どうして楽しめるか』を聞いてみたら
・楽しいから
・自分たちで考えるから、やるから
→じゃあアイスブレイクの〈イス取り鬼〉を全部自分たちでやってみよう
・10分で全員のテンションをあげること
・誰からやるか、誰が鬼かも自分たちで決める
始める前は「できる」「やる」と言っていたが、
いざ始まるとみんなどうしていいかわからないようだった
ゲームのルールはわかっているのに動けない
わからないなりに指揮を取り始める子が2、3人いたが他の子たちはとにかくどうして良いのかわからないようだった
普段は撮影を気にしていない様子の彼らは
この時はカメラで撮られることに嫌悪感を示していた
「この授業はカメラで撮るからな」
「今の(撮ったもの)消してください」
「絶対(今も)撮っとる」
職場体験で来てくれていた8年生にも「撮るな」と強い拒否が見られた
できてない自分たちをわかっているから、それが記録として残ることが嫌だったのかもしれない
班ごとに並び終えたところで10分が経った
彼らのテンションは上がるどころかダダ下がり
しかし、どうして良いかわからないなりに『班ごとに並ぶ』ところまでできている
どうにかしようと動く子がいる
自分たちだけでゲームができなかったことは悪いことではない
自分たちのできなかったことがわかって、どうすればできるのかがわかって実践できたら良い
ゆくゆくは自分たちだけでアイスブレイクを回して、全員が楽しめたらそれはすごいことだと思う
だからこれからも『自分たちだけでやってみる』をやります
今6年生の彼らが今後どう成長していくのか楽しみだ
鳥劇としての反省は、6年生はやる子が多いからと急にハードルを上げ過ぎたこと
段階を踏んで、例えば子どもたちから助手という形で数人に進行を手伝ってもらうなどして『指示を出す側』を経験してもらうことを取り入れる
●「穴あき台本」の劇をブラッシュアップ
1日目に作った劇の映像をみんなで観て、
・キャラクターを作り込むこと
・関係性を意識すること
を伝えた
元々あったテキストをガン無視で新しく書いている班もあった
大人の手を借りて良い感じにまとめている班もあった
キャラクターを丁寧に作る班もあった
関係性が見える班もあった
イス取り鬼の件で疲れている様子だったが、ワークは発表するところまでいけていてすごいと思った
2日目の出来事で落ち込んでしまったかもしれないが、それでも6年生はすごいということをこれからも本人たちに伝えていきたい