鹿野学園5年生①「こわれた千の楽器」(2024年6月)

●活動目標:なる・いっしょ・こだわる
●ねらい:4年生での活動を踏まえ、きっかけを元にイメージを広げていく。
自分の予期とちがうものが出ても、受け入れたら面白くなるという実感をもってもらう。

2024年6月12日(水)・13日(木) 3・4校時(10:35〜12:10)
進行:中島さん サポート:たろさん、しんちゃん、れなぞう、職場体験8年生:いっちゃん、はなえん
+++++1日目+++++

1.導入    7min
① 中島さんからのあいさつ・鳥劇メンバー&職場体験8年生紹介
② ゲーム:拍手回し (2グループ)

2.今日の目標は「なる」「いっしょ」「こだわる」    5min
中島:「“こだわる”で何か文章言ってみて」
子ども達:「色にこだわる」「食にこだわる」「髪型にこだわる」
中島:「“こだわる”ってなんだろう」
子ども達:「自分自身の好み」
中島:「みんな違うってこと?みんなある?自分の“こだわり”」
「ある人は、自分のこだわりと今日お芝居をつくることをどうつなげるか考えよう。ない人は自分のこだわりって何かなを考えてみよう。」

3.『梨っこ』の登場人物を思い出し、なってみる (3人組/6班)    2min
※先月の学校招待公演で舞台『梨っこ』を観劇している。
① 3人組/8班の中で、まず「1」の人=梨っこ、「2」=おとう、「3」=梨の木になってシーン1のセリフをみんなで読む。(※以降のワークで役は交代して全部の役をやる)
② シーン1を各班でやってみる    3min
③ できた班=1班 発表見本

4.(子どもに寄り添って授業展開を変更)    12min
① 問題提起 中島:「今、進めなかった班は何が問題だった?」
子ども達:「セリフを見にこないといけなくて」→中島:「セリフはだいたいでいいよ」
子ども達:「どうやったら驚いているように見えるかとかリアクションを考えるのが難しかった」「恥ずかしさがあった」
② 班で考えてみる(「いっしょ」) 中島:「前向きにやりたい。こう言う気持ちのハードルがあると教えて貰えば、こうしてみようと言えるので、1分、班で話し合ってみよう。」
子ども達:「リアクションのやり方がわからない」「どうやってその役らしい声を出せばいいか」「“おもしろさ”と“まじめさ”どっちを強調するか(演技の方向)を考えて迷った」
中島:「聞いてよかった。なんでもやりゃあいいと思ってるんじゃないんだね。どうやったらいいかを考えて動けなくなったんだね。ていねいにやろう。」

5.自分たちが何にこだわっているか考えながらやってみよう    15min
① 演技を保つ・なり続ける
中島:「梨の木の形になって、ため息をついてみましょう」
② 人と話しながらした方が良い時と、自分で決めた方が良い時がある
「なる」=自分 「こだわり」=自分 

6.8年生に見てもらう    8min
1,2,3班=いっちゃん 4,5,6班=はなえん
8年生:「どんなところにこだわってやりましたか?」
子ども達:「びっくりするところは大きな声で驚いたようにするところにこだわりました」
8年生:「ハキハキできてて良いと思いました。もうちょっと恥ずかしがらずにできたらもっと良いかなと思いました」
子ども達:「最後のところの「ええっ!」って後ずさるところ」
8年生:「動きが大きくて良かったです」
・先輩のおねえさんに自分たちが頑張ったところを認めてもらえて自信がついた様子だった。

〜休憩〜    5min

7. 各班発表と感想
「こだわりポイント」どういうところが良かったかを見ている子に聞く。先生と中島さんも感じたことを伝える。
子ども達:「舞台を大きく使っていた」「顔に感情が浮かんでた」
「「なるぅ〜?」って伸ばしてたのが面白かった」→やった子:「できる限りびっくりした表現を出したかった」
先生:「見ている人(前)を意識していた」「目線を工夫していたように思う。がっかりする時に見て二人の息がよく合っていた。」
中島:「自分では意識していなくても、人から言われて気づくこともあるよね」

8.リフレクションシートの記入    15min

+++++2日目+++++

9.先生による省察活動(in教室)
 ① 振り返り動画をみんなで見る    5min
 ② 各班の良かったところを発表    15min
1班:声の大小があった。語尾を伸ばして気持ちを表現していた。
2班:気持ちが入っていた。しっかり考えていた。
3班:3人の一体感があった。いっしょにやっていた。距離感が良かった。
4班:指先まで使って葉っぱを表現していた。びっくりした時のリアクションに「とまどい」も入っていた。「びっくり」+「とまどい」を合わせた表現をしていた。
5班:だんだんと見て学んでいた。アクション・リアクションが大きくなってきた。空間を大きく使っていた。
6班:梨の木を片足でしていたところにこだわりを感じた。リフレクションシートに「自分を表現するのが難しかった」と記入あり。役を表現するでなく自分をと書いてあるのがすごいと思った。
 ③ 2種類のこだわりについて
自分で「ここを見て欲しい」を伝える“意識したこだわり”と、自分では意識していなかったけど見てる人が気づく“無意識のこだわり”
“意識したこだわり”と“無意識のこだわり”について、子ども達の意見を聞く
子ども達:「無意識なのは自分でわかってないからこだわりじゃない」「無意識だけど、それもこだわりだと思う」「意識していてもだんだん日常になってクセになると無意識に変化する」
 ④ 各班「こだわり」をまとめる活動
  ★それぞれ出す、自分たちで伝える場面★
 「こだわり」(工夫・好み・良いところ)を付箋に書いて班ごとに貼っていく
 ⑤ 4時間目に活かすために
4時間目に活用したいこだわりポイントを選ぶ

10. 台本「こわれた千の楽器」(inプレイルーム)
 ① 「こわれた千の楽器」の説明、配役・セリフの確認    5min
 ② 「月」・「絃楽器」・「打楽器」などに分かれて練習    22min
・体を使って自分なりに楽器や月を表現していた。こわれた表現も膝を曲げたり表情を工夫していた。
 ③ 1〜6班に分かれて発表のための練習    3min
・3分だけと聞いて、みんなすぐに切り替えて練習していた。
 ④ 発表    10min
・どの班も昨日より成長がみられた。見せることを意識して体の向きを工夫していたり、自分たちでセリフを増やしたりもしていた。発表の後の先生や鳥劇のフィードバックの言葉をしっかり聞いていた。

+++++メモ+++++
・踏み出せない理由を探る時間が良かった。「こだわり」につながった。
・発言する子が固定しがち。先生のふせんワークでやっと、それぞれ思いを出せる場面があってよかった。
・発表に対する先生のコメント、普段の子ども達を知っている中での声がけ+舞台表現者としての視点が的確だった。先生に評価してもらう嬉しさは子ども達にとって格別のもの。
・先生が事前に子ども達に2つの思いとチーム分けの意図を話していた。(そのため、考えすぎてしまった子もいるかもしれない)
「楽しむこと」:1時間目から楽しむかどうかによってこの4時間が変わる。自分のものにならないから楽しんで。
「こだわること」:自分なりの人生のアピールポイントになる。
チーム分けの意図「いつもいっしょにいないけど、いっしょになったらどうなるんだろう?」いろいろ試させて。
・1日目は『梨っこ』の写真を出した方が良かっただろうか。
・職場体験の8年生が来てくれたのが嬉しかった様子で、「次も来る?」と聞いていた。

<8年生の感想>
・トランペットもっと広げたらとアドバイスしたらその通りにしてくれた。
・どうしたらいいのかわからないと言いつつも考えて行っていたと思った。
<8年生に質問:表鷲科で何を学んでいるか?>
・自信。恥ずかしがらずに何かをやる。
・自分を表す。自分で考えていることを。
・自分らしさに気づく。意識化できる。