鹿野学園4年生①「詩の中の○○になってみる」(2024年6月)

●活動目標:没入する それを楽しむ 人のそれぞれを邪魔しない、それぞれを大切にする
●ねらい:自意識が芽生える年頃。三年までの自由な発散的段階を思いださせながら自分のの中の感覚に耳をすまし、その中でどのような他者とのかかわりが可能なのかを実践していく。
一回目では自身の意識に重点をおき、二回目では外部からの見え方にも広げられたらよい。
2024年6月4日(火)・5日(水) 3・4校時(10:35〜12:10)
進行:中島さん  サポート:たろさん、しんちゃん、れなぞう

+++++1日目+++++
1.導入:4年生になって演劇をより深くやってみます宣言    10min
① 中島さんからのあいさつ・鳥劇メンバー紹介
「3年生の時は何をやった?」「桃太郎!」
② ゲーム:拍手回し (2グループ)
目標は、大きい声を出すこと。
中島:「はい!」
子ども達:「はい!!」
中島:「演劇での声の出し方って喉で出さないんだよ」
子ども達:「おなか!」
③ ゲーム:わたし/あなた (2グループ)
中島:「次はセリフがあります。自分を指して“わたし”、誰かを指して“あなた”。1分間やってコツを探してください。」
中島:「何に気をつけた?」
子ども達:「あせらない」「すぐにやる」「かぶらない」
中島:「他にもみんなが工夫してたことがあったよ。ちゃんと相手に聞こえるように言う。手を使って相手に伝わるように。『伝える』これが大事。」

2.今日の目標は「なる」「いっしょ」 (3人組/8班)    5min
「なる」=各人の個性 「いっしょ」=いっしょに考える・いっしょにやってみる
※班分けは事前に先生がくじ引きで
3.『梨っこ』の登場人物を思い出し、なってみる    6min
※先月の学校招待公演で舞台『梨っこ』を観劇している。
① シーン1をみんなで読む
中島:「梨の木を“登場人物”と数えられることがすごい!」
② 3人組/8班の中で、「1」「2」「3」を自分たちで決め、まず「1」の人=梨っこ、「2」=おとう、「3」=梨の木になってセリフをみんなで読む。
中島:「この後、回すからね。全部の役をやるから。」
③ 舞台『梨っこ』のシーン1の写真を提示
中島:「写真で見ると、これ、どんな場面だったかな?演劇を考える時には、セリフの前を考えなければならない。」→おとうと梨の木はしょんぼり

4.シーン1「なる」「いっしょ」 (3人組/8班)    17min
① シーン1を各班でやってみる
② 発表
※練習・発表、役を変えて練習・発表、役を変えて練習・発表
中島:「演劇のルールで大切なことは、ここに人がいるので、一生懸命集中してみること。」「大舞台の使い方のコツは、後ろに下がらない。」
・梨っこの勇気をもった顔、おとうと梨の木の驚き、「はいOK」までずっと驚き続けていたのが素晴らしい。
・おとうと梨の木の仲の良い様子を肩を組んで表現していた。
・最初、しょんぼりと垂れていた梨の木の枝(腕)が、驚きで上向きにピンと立った表現の工夫が素晴らしい。
中島:「目標の「なる」「いっしょ」、「なれ」てますか?「いっしょ」ってどういう?」
子ども達:「いっしょに固まって」「力を合わせて」「協力して」「リズムを合わせて」

5.シーン2「なる」「いっしょ」    12min
① シーン2をみんなで読む
中島:「この場面、覚えてる?」→「厨房」「にぎやか」「コック大忙し」
中島:「梨っこ(のセリフの「はい!」)はどんな「はい!」だろう?」→「テキパキ」
② シーン2を各班でやってみる
③ 発表
※練習・発表、役を変えて練習・発表、役を変えて練習・発表
中島:「人に伝える為に、何か具体的な方がいい」
子ども達:「チャーハンを作ってた」「野菜を切ってた」

6.シーン3「なる」「いっしょ」    15min
① シーン3をみんなで読む
中島:「どんな門だった?」
子ども達:「さびてる」
② 演劇ルールの説明 他の人の体のさわり方
体重をかけない。乱暴にしない。
鳥劇見本→しんちゃん:石 たろさん:運ぶ人
子ども達の中でやってみたい人が見本で石に「なる」「いっしょ」にやる
中島:「石にも気持ちを。どういう石?」
・持ち上げて重いから一度離した表現が上手。
・転がして運ぶというアイディアを出してくれた。
但し、見ている人から「痛そう」という声が上がった。「痛そう」と思わせないようにやさしく。
③ シーン3を各班でやってみる
④ 発表
※練習・発表、役を変えて練習・発表、役を変えて練習・発表

7.詩「春のうた」をみんなで読む    5min
中島:「登場人物は?」
子ども達:「カエル」「くも」「かぜ」「みず」「いぬのふぐり」「太陽」
・「「太陽」は書いてないけど、「まぶしいな」と言っているから。」という意見が出たのが素晴らしい。
中島:「“みずはつるつる”ってどういうことだろう?」
子ども達:「氷?」「春のうただから氷は溶けてるよ」
中島:「演劇は、どういうことなのかをみんなで「いっしょ」に決めなきゃいけない。」

8.リフレクションシートの書き方説明・記入    15min

+++++2日目+++++

9.先生による省察活動
① 振り返り動画をみんなで見る    5min
② 昨日の班の写真を見て、「なる」「いっしょ」について考える    35min
一人一人にスポットを当て、「なる」「いっしょ」自分は何に気をつけてやったかをそれぞれ発表。他の班の人からも感想を言ってもらう。
「なる」を頑張った子:「木はしゃべらないけど、木の気持ちになってしゃべりました」
「いっしょ」を頑張った子:「門の○くんは顔でがんばって、○くんは体の表現でがんばって、いっしょに楽しくできました」
中島:「写真1枚で何をやっているか分かるのは素晴らしい事。楽しんでやっているのが伝わる。」
③ 鳥劇からの感想を伝える    5min

〜休憩〜    10min

10. 省察後の「もっとやってみる活動」
① 昨日やった「石になる」(5-②)を各班でやってみる→4つの班が発表    20min
・それぞれストーリーを作ったり、ブルドーザーやスコップを使って石を動かす演技をしたりと工夫していて、昨日よりもさらに表現が豊かになっていた。
② 詩「春のうた」を演じてみる    15min
はじめに、みんなで声に出して読んでみる。その後、4つの班に分かれて「春のうた」の登場人物・配役を自分たちで考え、練習。2つの班が発表した。
③ 次回の目標は、「なる」「いっしょ」に加えて、「きりかえ」。詩「春のうた」と「きくのはな」を使用することを話して終了

+++++メモ+++++
・「なる」と「いっしょ」という軸がわかりやすかった。テーマを決めるとやりやすいのかも。
・みんな手を上げて、昨日感じたこと・考えたことをしっかり言葉にして発表できていた。
・発表し終えた子が集中力を欠いてしまう。他の人が発表している時もしっかり見て聞けることも大切。
・前日、恥ずかしがって発表できなかった子も、他の班の演技について感想を言ってくれたので、決して興味がないわけではないことがわかった。
・階段を使っての、カエルの冬眠からの目覚めというアイディアは素晴らしい。
・詩には出てこないウグイスが鳴くことによって春を表現していたのも良い。
・両班ともカエルが詩を読むだけという表現になってしまったので、次回は春のいろいろなものを登場させることによってテーマでもある「きりかえ」で別の表現をしてもらう。