鹿野学園6年生「見立てて、演じてみよう」(2025年12月)
活動目標:日用品(スリッパ)を他のものに見立て、即興で芝居を創造する。
学習目標:
①見立て力/身近にあるものを別のものに見立てる。「見立て」を使った短いシーンを創作することを目的にすることで、最後までやり切る力を養う。
②のっかり力/他者の見立て(想像)は全面的に肯定し、それを受けて発展させるような演技をする。そのことで生じる深い想像と集中を楽しむ。
日時:2025年12月3日(水) 2校時3校時、12月5日(金) 2校時3校時
進行:齊藤、高橋、大田、中川 記録:おく
12月3日(水) 1日目
◎ ジェスチャー伝言ゲーム
6人ずつの3グループに分かれて、お題を1人ずつジェスチャーで伝言するゲーム。
お題はA: こたつ B: 赤ちゃん C: じょうろ
それぞれの最終解答は、A: 茶道 B: チャイム C: 侍
全滅だったけど、各グループとも誰かを責めるということもなく、楽しそうだったからいいんじゃない。

◎ 見立て
17人全員+鳥劇メンバー3人+先生の21人が大きな1つの輪になって、「ペットボトル」を他のものに「見立て」てみる。発表した子にはみんなで「ああ!」と言う。思いつかない子は「バット」に見立ててもらって、「巨人の星」の主題歌とともにスローモーションでスイング。1巡したら次は「タオル」もう1巡したら「ボール」と次々に見立てて行く。みんなの「見立て」は次のようなものです。
① ペットボトル
ユニコーンの角、かめはめ波、巨人の星、巨人の星、ダーツの矢、電燈、マイク、刀、くし、大根、お玉、ポニーテール、ペンライト、包丁、ハンドル、手榴弾、ボーリング、ボール、卓球、巨人の星、ネクタイ
② タオル
一反もめん、巨人の星、槍投げ、マント、巨人の星、マフラー、旗、流しそうめん、雑巾、ほうき、犬のリード、手品、掛布団、魚をシメる、三角巾、ビリヤード、包帯、中二病、綱引き
③ ボール
パン生地、手榴弾、巨人の星、目玉、股関節、月、巨人の星、ピエロ、かめはめ波、巨人の星、巨人の星、ボーリング、アシカのボール、キャッチボール、犬のおもちゃ、チョコアイス、ミラーボール、大きな耳クソ、焼き芋、目玉焼き、巨人の星
見ての通り、「巨人の星」が圧倒的に多い。「見立て」ができないのではなく、「巨人の星」をおもしろがっているのだ。その証拠にいろんなバリエーションがでた。暴投、デッドボール、ピッチャー返し、自打球、場外ホームラン、もう大喜利状態だ。それはさておき、好印象だったものは「タオル」を使ったものの中から「中二病」と「魚をシメる」。「中二病」は「三角巾」「包帯」の流れからタオルを目に巻いたもの。「魚をシメる」は細くしたタオルをポキッと折って、実にリアルだった。
◎ スリッパを何かに「見立て」て、日常生活を演じてみよう
〇 A、B、Cの三班に分かれて、「冬の朝」のひとコマをスリッパを使って演じてみよう。「お題一覧表」をヒントにしてもいいし、しなくてもいいし、とにかくスリッパを何かに見立てて芝居をするのだ。最後は全員でスリッパを床に投げつけ「って、スリッパやないかーい」で終了。「各人、最低1回は発語する」「使ってよいスリッパは一人1足」が条件。

私はB班といっしょにワークをしたのですが、まぁ楽しそうだったこと。リーダー格のコが「殺人事件にしよう」と言い出し、配役を決め、ストーリーを作っていく。両手にスリッパのコが「電気ショック」と遊んでるのを見ると、「それで逃走した犯人を捕まえよう!」とひらめき、オチにもっていく。「スリッパ全然使ってないじゃん」と私が指摘すると、凶器に使ったスリッパをスコップに変えて埋めたり、スリッパパトランプからの警察手帳からのマイクからの手錠といった具合に次々にスリッパを使いこなす。「冬の朝ってどこにあるの?」と私が指摘すると、「冬の朝、お前はどこにいた、アリバイを言え」と、とってつけたような尋問にしてくれた。ま、いいか。動機とか人間関係とか、ツッコもうとすればいろいろあるが、楽しそうだからよしとしよう。目標は想像で遊ぶことだからね。優秀、優秀。
特筆することは、学校を休みがちだったA君が、殺され役をしてくれて、ずっと動かず死体役をまっとうしたこと。死体役ってつらいのに、嫌がらずだよ。それも5回もリハやって1回も動かなかったんだよ。クラスメートとの信頼関係がなければできないことだよね。
◎ 発表
A班 「JKお泊り女子会の朝」
2対のイスを向かい合わせ5列にして1つの部屋にし、その中でJK達が寝ている。朝になってもなかなか起きないJK達を突如、大量のネズミが襲う。しかしそれはドッキリだった。
B班 「殺人事件」
冬の朝、サバをさばいている料理人が殺される。警察が三人の容疑者にアリバイを聞く。「真実は一つ、じっちゃんの名にかけて、犯人はお前だ」と根拠のない刑事の一言で犯人を特定するも、犯人は逃走。あらかじめ呼んでいた救急班のAEDの電気ショックで犯人を確保。
C班 「冬の朝となりは何をする人ぞ」
給食の配膳台を使ってセットを組んだ二軒の家。一軒の家は母、父、息子、祖父の4人家族。父役が敬語を使うことで祖父役がわかるしくみ。隣の家の住人はトイレをしている。どうやら便秘のようだ。なにげない冬の朝の一コマ。
〇 鳥劇メンバーの感想
・楽しそうに観ている姿勢が良かった。「見立て」がつまづくことなくテンポよく回った。
・班決めの時からテンション高かった。発表の時に観やすい工夫があった。観られる意識があるから本番の時に声が大きくなってた。
〇 先生の感想
・今まで組んだ班分けで一番スムーズにいった。
・ジェスチャーを観る態度が良かった。静かにしてて、拍手をしたり、理解した時に「あー」とリアクションしたりするところとか、みんなに同意を求める子がいたりして良かった。
・仲の良い者同士の班にしたから楽しくスムーズにいったのかもしれない。明日はくじ引きでシャッフルするので、どうなるのか見てみたい。
12月5日(金) 2日目
◎ 省察
〇 鳥劇リポート
各班の気になる写真をセレクトし「〇〇さんは見た」というタイトルで、各班の感想を言っていきます。中川さんはお休みなのでビデオレターの形式でお届けしました。昨日欠席していたB君に、昨日何をやったか生徒たちに説明させることで、みんなに振り返ってもらおうと思ったのですが、B君に「見立て」をしてもらおうと欲張り、B君が固まってしまって、大幅な時間ロスをしてしまいました。
〇 先生の省察
笑顔ラッシュ写真、「みんなで〇〇をした」と書かれてるたくさんのリフレクションシートを見せ、学級目標「みなニコ」を強調し、昨日はみんな楽しそうでしたと感想を述べる。そして3枚の写真を配り(①何しようか困ってる写真 ②指示してるところとか話し合いをしている写真 ③発表の写真)、それぞれ「誰がなにをしてくれたか」「気づいた事、グループ活動がうまくいく秘訣とは」を書かせる。グループワークをしてる時の自分達の表情や雰囲気の変化を自分たちで気づいてほしいというねらいのようだ。
◎ 「見立てて演じてみよう②」
先生お手製のくじ引きで、新A・B・C班の組み換えだー。
〇 私、昨日と同様B班だったのですが、昨日リーダー格だった子が、今日もB班に組まれ、リーダーになって仕切りだしまして(この子はクラスの中の誰にも認められてる子なのかも)「カメムシ大爆破事件」というタイトルが決まりました。「カメムシやりたい人」との呼びかけに「ハーイ」とこたえる子(ふつうカメムシやりたいかー?)。「トイレで新聞読んでる人やりたい人」「ハーイ」「で、JKね、あなたは」「君はサラリーマンでスマホもって駆け込んできて」…どんどん役が決まっていく。男女の壁とか、相性とか関係なく。設定は駅のプラットホームのようだ。JKが駆け込み乗車をしようとすると、毒臭を発するカメムシを踏み死ぬ。「あ、その件に関してはですね」と駆け込みスマホのサラリーマンもその餌食に。その毒臭はトイレまで忍び込み。反対車線から降りてきた手袋サラリーマンにはなぜか効かない。場面は変わり、テレビ局のスタジオ。「臨時ニュースです。今日、カメムシの臭いで大勢の人が死亡する事件が起きました…ってスリッパやないかーい」好きなことを好きなようにやってればそりゃ楽しいよなって思っちゃいました。死なない子もいたけど、もっと我が道を行くタイプの子なんだろうね。でもそういう人はそういう人とみんな認め合ってるんだと思う。だからこのクラスは「みなニコ」なんだろうな。

◎ 発表
C班 「ナイフ男vsスリッパマン」
「ナイフを持った男に注意」とニュースが入る。ナイフ男、背後から男を殺し、引きずり隠す。謎の小さくされた男登場。どこかへ通報する。正義のヒーロースリッパマン登場。スリッパマンは男女一体化した何重にも重ねたスリッパをミサイルのように発射するヒーローなのだ。ナイフ男はスリッパマンのミサイルによって倒され、町の平和は保たれる。
A班 「クリスマスパーティー」
2050年の未来。担任をモデルにしたような先生が授業をしている教室。誰かが「クリスマスパーティーをしようと言い出し、場面が変わって誰かの部屋(上手向きに並んでたイスが正面になる)。プレゼント交換が始まる。「私、タブレット」「私iPhone25」「Switch4」「AED」(この子は昨日AEDをした子)「俺はボクシンググローブ」喜ぶクラスメイト。「ボクシングしようぜ」とグローブをもらった子がAEDの子と試合をすることに。しかしAEDの電気ショックでグローブの子はKOされるのであった。
B班 「カメムシ大爆破事件」
上記参照

◎ 鳥劇反省会
・B君にかまいすぎて時間ロス。
・省察の鳥劇リポートは中川さんのようなやり方がいいのでは。誰が何をどうしたと具体的に示すような感じで。
・先生のシートは班に1枚ではなく、人数分書かせた方が良かったのでは。シートを書く様子は、A班は全員で意見を出してまとめてた。B班はリーダー格のコがまとめてた。C班はまとめ役がいなかった。
・「見立てて演じる」はA班は最初、男女の壁があったり、ヒントを与えても同調しなかったが、「クリスマスパーティーしようよ」という女子の一言で女子結託。男子はボクシングがしたかったが、プレゼントの中にグローブがあるってことで納得。というように、なんだかんだでうまくいった感じ。B班はリーダー君のまとめによってスムーズにいく。C班はまとめ役がいないので齊藤さんがまとめてくれましたが、スリッパをあまり友好的に使ってない印象でした。
・全体的に自由に考えるのが好きなクラスだなと思います。きっと同じことをするのがつまらないと考える子どもなのでしょう。想像を楽しむというテーマの中でその働きを充分に果たしたと思います。 以上、タカハシでした。