鹿野学園3年生③「オノマトペばなし」(2023年1月)
日時 2023年1月16日(月)・17日(火) 3・4限
対象 3年生
場所 鹿野学園
活動目標 グループで話す事を楽しむ。想像して身体で表現してみよう!
進行 ごっちゃん
補助 むー、ひろし、もっちー
撮影 ふじさん
レポート作成 ひろこ
内容
<1日目> 3限(10:35〜11:20)4限(11:25〜12:10)
①ウォームアップ
②オノマトペでいろいろやってみよう
③オノマトペで〇〇
④オノマトペ桃太郎
休憩
⑤オノマトペ桃太郎・発表
⑥リフレクションシート記入
<2日目> 3限(10:35〜11:20)4限(11:25〜12:10)
①昨日の発表のビデオを観る
②発表の感想・良かったところを書きだす
③次の発表に向けて目標を決める
休憩
④オノマトペ桃太郎(一人ひとつオノマトペ)
⑤発表を終えて
16日(月) 3限(10:35〜11:20)4限(11:25〜12:10)
今日は雨の日!
でも心は晴れやか!
だって今日は鹿野学園でワークショップする日なのです
はじめまして、わたし、ひろこと申します
三重県から来ました、山登り大好きっ子、東京生まれ東京育ち、ワルいやつはだいたいともだち、3月29日生まれ、み(3)にく(29)いひろこの子!って覚えてください!
わたし、鳥の劇場に来て初めてのワークショップなので、とても緊張しています
うまくできるかな、仲良くできるかな、もし先生におこられたらどうしよう?
大丈夫よ、ひろこ、そんな時は手のひらに人の字を書いて何回も飲みこむのよ!
ベロベロベロベロベロベロベロ〜!
ふうっ
鹿野学園は鳥の劇場のすぐ近く、白くて大きな、まるでお城のような、漆喰ふうの壁が特長の学校です
玄関からつづく木目調のうつくしい廊下、壁に貼られた生徒たちの生き生きとした顔写真、そして会場のホールが広くて綺麗!
板目!板目!思わず床の上でスケートしちゃいます!
これ学校なの?なんて立派!!
あたしもこんな素敵なところで子供時代を過ごせたらな〜、もっと素直で、健やかな大人になっていたのかしら、、、
窓の外は雨、部屋の中はこんなにあたたかいのに、どうしてわたしのまぶたはこんなに涙で濡れているの?
ひゅうるり〜〜〜ひゅうるりいらら〜〜〜
こら、ひろこ!泣いてる場合じゃないぞ!そうこうしてたら子供たちも集合!
さっそくはじめるわよ、ワークショップ!
二日間よろしくお願いします!!!
①ウォームアップよ!
いきなり動いてケガをしないよう、まずは簡単なワークからやってみます
まずは広げた手がぶつからないような間隔に散らばって、体をブルブルグニャグニャ!
腕だけ、足だけ、指だけ、頭だけ、指定された部位を動かします
いつもなにげなく動かしている体も、一部だけを動かすのはなかなかたいへん
ほんのり汗が出てきてあたたまってきたかな??
②オノマトペよ!
オノマトペ、おのまとぺ?
調べてみたらフランス語らしいわね
響きは日本語っぽくもあるし、とても不思議な言葉
カサカサとか、プルプルとか、わたしたちの身のまわりにある、状況や状態を音に表したもので、擬音語、擬態語とも言うわ
そんなオノマトペを、みんなで一緒に体で表現してみます
最初に壇上のわたしたちが見本を見せるのだけど、やってみるとこれがけっこうむずかしい
ゴロゴロとか、ペコペコとか、ふだん当たり前のように使っている言葉も、あらためて体で表そうとすると、とまどってしまうこともちらほら
これはむずかしいかな?みんなできるかな?
でもそんな心配はどこへやら、リーダーのごっちゃんが『カクカク〜」と言ったら、みんなでいっせいにカクカク〜〜〜!
すごい!あっちこっちでいろいろな形のカクカク〜!
同じ言葉でも、やる人が変われば表現も変わります
それを子どもたちはすぐに体現してしまいます
③オノマトペで〇〇よ!
次はそのオノマトペを、ほかの言葉と組み合わせて表現します
ゴロゴロの猿、プンプンのゴリラ、グニャグニャのサッカーなど、オノマトペを使いながら、他のことも表現しないといけないから、すこぉしだけむずかしくなります
今度はさっきとちょっとちがうよ?みんなできるかな?
「ムキムキのゴリラ!」
わっ、筋肉ムキムキしてるけど、あれ?ゴリラはどこにいったの??
「プンプンの猫!」
あっ、プンプン怒ってる猫がいるねっ、ケンカしてる2匹もいるよ!
「グニャグニャのサッカー!」
グニャグニャしてたらぜんぜんボールがけれないよ〜〜〜!
苦戦している子もいれば、つぎつぎといろいろなポーズを試す子どもも
みんなオノマトペがどんなものかわかってきたね!
④オノマトペ桃太郎よ!
さあ、いよいよ今日の見せ場、桃太郎の物語をオノマトペを使って創作します
例によってまずわたしたちで見本を見せます
お題は「グニャグニャ』の桃太郎
よく知っているお話だけど、いったいどうなっちゃうんだろう?
あれあれ??
桃太郎もおじいさんおばあさんも、犬雉猿の三びきまでみんなグニャグニャ!
動きだけでなく、しゃべり方までグニャグニャしてておかしいね!
さあ、今度は子どもたちの番
三つのグループに分かれて、まずどんなオノマトペを使って桃太郎をつくるか話し合って決めます
あれもやりたいこれもやりたい、でもひとつに決めないと、あれ?時間がないよ、あ、配役も決めないとだよ!
あっちこっちでいろいろな声が聞こえてきます
早い班はもう立ち稽古しているところもっ
限られた時間内に上演できるかたちにするのも大切なこと、なかなか決まらない時はアシスタントの大人も加わって意見を出し合います
自主性ってとても大事なことだけれど、みんながみんな自分のやりたいことだけを主張するのはただのワガママなだけになっちゃう、それじゃいつまでたっても話がまとまらないわ
ひとりひとりの自主性を鑑みつつ、同時にグループ全体の、集団としての自主性はどうなっているのか?いつでも気を配りたいところよね
バランスが肝よっ、ひろこ、がんばりなさい!
ふ〜、ファシリテーターってたいへん(泣笑)!
休憩
⑤オノマトペ桃太郎・発表よ!
泣いても笑っても本番の時はやってくる
今こそ練習の成果を出すときです
稽古の時は大丈夫かなと心配していても、本番が始まると子どもたちってなんて頼もしいのかしら
こっちの心配をよそに、即興で新しいことをする子や、最初のアイデアをしっかりと正確にかたちにしようとする子もっ
まちがえても、セリフがつまってしまっても、みんなさいごまでやりとげました
3グループそれぞれの桃太郎どうだったかな?
3つともぜんぜん違ってたよね?
でも何が違ってたんだろう?
同じ桃太郎の物語だけど、お題のオノマトペだけじゃなくて、演じる人、話し方、動き方、時間の流れ方、いろいろなことが違って見えたね
⑥リフレクションシートに記入よ!
さいごに今日のワークショップを体験して感じたこと、思ったことを紙に書いてもらいます
今日の出来事に対する自分の気持ちやテンションの高まりをグラフに描いてもらうのだけれど、これがみんなバラバラでおもしろい!
最初からずっとMAXのテンションの子もいれば、複雑な波を描きながら大きく一周して初めの線とつなげる子も・・・(笑)
ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情もわたしたちが持っている大事なものの一つ
いろいろに感じたことを、いろいろのままに、そのまま書き出していきます
あぁ、楽しい時間ってあっという間
1日目のワークショップはこれで終わります
うぅ(嬉)、みんな今日はありがとう、本当に楽しかったよ、演劇って一人じゃできないの、いろいろな人がいて、いろいろなことを考えていて、そんないろいろな人たちが、一つの舞台のために一緒に動いてはじめて作品づくりがはじまるの、今日はみんなから本当にたくさんのことを学んだわ、大げさじゃないわよ!だってみんな、すごく楽しそうにやってるんだもの、そりゃわたし、嬉しくって嬉しくって、ひろこ、うれぴ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!
っってあれ?誰もいないじゃない、みんなどこに行ったの?
ごっちゃん「みんな給食に行っちゃいましたよ〜」
え??いつのまに??蜘蛛の子散らすみたいに消えてったじゃない、どんだけお腹へってたのよ!なによ!わたしと給食どっちが大事なのよ!ふんだ、わたしも帰ってごはん食べるもん!
ふんだ、だっふんだ!!!
つづく
17日(火) 3限(10:35〜11:20)4限(11:25〜12:10)
2日目は晴れ!
この時期にはずっと曇り空が続いていたそうで、このタイミングで青空になるなんて、晴れ男子のわたしの本領発揮ね!ホホホホホホホホホホ!!!
それじゃ2日目も、よろしくお願いします!!!
①昨日の発表のビデオを観るわよ!
今日は教室からスタートします
昨日どんなことをしたか振り返れるように、わたしたちが編集したスペシャルムービーをみんなで鑑賞します(わたしも自分の担当した班の動画を編集しました!)
大きなテレビ画面を用意して、動画スタート!
自分の姿が映ったり、おもしろかった場面が流れるたびに歓声をあげる子どもたち
自分たちが舞台でどんなふうに見えていたのか、声は届いていたのか?やりたいことは表現できていたか?大人の役者でも自分のやっていることを把握するのはむずかしいもの
こうやってビデオで後から見てみると、気づくところもたくさんあって勉強になります
なによりかっこいい音楽にのせて自分たちの演技が見られるって、ちょっと恥ずかしいけど嬉しいよね!
②発表の感想・良かったところを書き出すわよ!
ビデオで盛り上がったあとは、さっそく昨日の発表で良かったところを振り返ります
まずは一人で考えてみて、つづいて近くの人と相談
思いついた人から手をあげて発言してもらい、先生が黒板に書き出していきます
自分の班だけでなく、ほかの班のことも、みんな細かなところまでよく見ています
3つの班ごとに線で区切られた黒板が、あれよあれよとみんなの言葉で埋まってしまいました
③次の発表に向けて目標を決めるわよ!
黒板に書かれたいろいろな感想から、次の発表に向けての目標を決めていきます
自分たちの班からひとつ、他の班からひとつ、合計ふたつ
自分たちに足りなかったところ、もっともっと良くしていきたいところなど、目標はいろいろ
用紙に書いて忘れないように・・・
「ねえ、はやくおりて発表したい!」
あら?すごいやる気!
でもあなたまだぜんぜん目標書いてないじゃないっ、はやく書きなっさーい!!!
1日目を終えたあと、担任のS先生がおっしゃっていました
「アイデアがすごくおもしろいので、より伝わるように表現させてあげたい」
そうです、せっかくおもしろいことを思いついても、それがしっかりと人に伝わらないともったいないよね
自分の考えたこと、思いついたことをどうしたら、よりよく表現できるか
トリジュクの大事なテーマでもあります
ありがとうございます先生!
休憩
④オノマトペ桃太郎(一人ひとつオノマトペ)よ!
さあ、いよいよさいごの発表です!
一人一人ちがうオノマトペを決めて、再び稽古!
またゼロから〜???
そうね、大人だったら躊躇しちゃうかも、だってせっかく昨日つくったのに最初からよ?もういいじゃない、なんでまた最初からつくりなおすの???
ばか!(ひろこは自分の頬をたたいた)
痛い!(ひろこは自分の頬をさすった)
最初から?せっかくつくった?あなた何を言ってるの?子どもたちを見てみなさい!
はっ!(ひろしはハッとした)
子どもたちは昨日よりも活発に話し合いをすすめていきます
並べたオノマトペのカードから、あれでもないこれでもないと自分のやりたいものを探したり、配役も昨日と違う役を選んだり、その顔はとても楽しそう
みんなにとってはつくりなおしじゃないもんね、いつでも新しいことなんだものね!
目の前におもしろそうなことがあったら飛び込んでいく!
稽古スタート!
昨日はみんなで同じオノマトペだったけれど、今度はひとりひとり別のオノマトペ
それぞれの特徴をかたちにして桃太郎の物語にのせていきます
同じ言葉の表現でも、言い方や、強い弱い、速い遅い、大きい小さい、相手との関係、環境、背景など、刻々と状況が変われば、それにともなって身体の状態も変わり、あつかう言葉の意味も変化していきます
そしてそれが人の数だけ変化していくとしたら、、、
ああ、子どもたちはいま、豊穣の言葉の海へ航海に出たのね
風よ、波よ、運んでおくれ!
行き先を決めるのはあなたたち
わたしが決められるのは、いつたどり着くかだけ
めいいっぱい櫂を漕ぎなさい・・・
あなたのぉ燃える手で〜♪あたしぃを抱きしめて〜♬
ごっちゃん「終了でーす」
ひゃーーーん!!!時間短い!(泣泣泣)
みんな大丈夫かな?あんまり稽古できなかったけど大丈夫かな??
でもやっぱりそんな心配はどこへやら、本番がはじまれば子どもたちのペース
一人ひとつのオノマトペというお題をくっきり表現してくれていました
さっき教室で決めた二つの目標も達成できたかな??
発表が終わったら、よかったと思うところを用紙に書き出していきます
演じたグループも、観ていたグループも一緒に書きます
演じるだけでなく、観ることも大事なこと
自分のことだけでなく、相手のこともちゃんと見て、聞くこと
だって自分ことをちゃんと見て聞いてくれる人がいたら、嬉しいものね!
⑤ワークショップを終えたわ!
まだ時間が残っているので、良かったところを今度はみんなの前で発言してもらいます
つぎつぎと出てくるいろいろな感想に、先生さばくのがたいへんそう!
実は、3年生としての表現ワークッショップは今日で最後なのです
そんな日に参加できて、ひろこほんとに幸せ
さいごは大人顔負けの、とても丁寧なお別れの挨拶をして、再会を約束してくれました
またねみんな!次会うときは4年生の時かな?
風邪引くなよ!歯みがけよ!風呂入れよ!ばばんばばんばんばん!
おつかれさまでした〜!