青高⑨「タナカさんを説得しよう~将来役に立つ教科は〇〇だ!~」
●活動目標:ディベートを体験することで、他者との議論や意見をすり合わせるする過程を学ぶ
●ねらい:他者との共同作業を通しての合意形成力・問題解決力の習得
2024年12月4日(水) 3・4校時 生徒14名
進行:小菅 サポート:田中
会場:青谷高校多目的室
1.ふりかえり 5min
2.ゲーム(全員) 10min
3.ディベートのルールについて 10min
4.グループワーク① 20min
休憩
5.グループワーク② 20min
6.タナカさんを説得させよう! 10min
7.まとめ・リフレクションシート記入 15min
先週、あるお題について、相手を説得させるための材料を組み立て発表し、ディベートの入り口に立った高校生のみなさん。いよいよ今回は、ディベートにチャレンジします。
今日の授業は「将来役に立つ教科は〇〇だ!で相手を説得しよう」です。前回のディベートの型を踏まえ、相手を説得するためのプレゼンテーションをしたのが今回です。
振り返りののちに、ゲームを行いました。グループ内で1から20までの数を順番にいう前回と同じワークをしたあと、生徒さん希望の「だるまさんがころんだ」を行いました。最初は、一般的なルールのもと行い、次に「歌いながら進む」「鬼が右から振り向いたら歌はそのまま/左から振り向いたら歌を止める」とうルールで行いました。途中混乱しながらも、鬼の小菅さんにタッチまで漕ぎつけることができました。
小菅さんが、今日の討論のテーマを話します。(なんと、生徒の方の一人が提案してくれたお題だったようです!)グループに分かれて、「国語」「数学」「英語」のうちから、自分たちが選んだお題が「将来役に立つ」という観点で討論します。
小菅さんは、ディベートとは「ある立場に経って論を述べる」ことで、その立場とは、個人の好き嫌いとは関係がないといいます。つまり、客観的にメリット・デメリットをあげることが大事だといいます。
まずは、自分のグループが選んだ教科のメリットを挙げていきます。【将来役に立つかどうか】が論点であり、【いま、自分にとって好都合かどうか】とは、別のものだということを素早く理解する生徒さんも数名いらっしゃいました。チームの選んだテーマ(教科)がもっとも役に立つのだと説得するための材料集めの時間です。作戦会議スタート!
1回目の発表タイムです。挙げていったメリットを読み上げてくれます。聞いていると、英語チームでは「いろいろな国の人との会話ができる」、数学チームでは「買い物の計算が早くなる」、国語チームでは「正しい言葉遣いができる」という主張が論点の的を得ていました。小菅さんがひとつひとつ「その視点は面白い!」「これは主張としては弱いかも!」とコメントをしていきます。
さて、休憩を挟み、もう一度グループワークに戻ります。次は、自チームの教科も含めた3つの教科が「将来役に立つ」になり得ない理由をあげていこう、というもの。同じく、ただの批判や愚痴ではなく、事実に基づいた根拠を並べることがポイントになってきます。前回の授業でも同じ流れを辿ったので、すんなりと理解し、グループメンバーとの話合いに入ってくれました。
最後に、タナカさんを説得させよう!の時間に入ります。今回は、「ジャッジ」と呼ばれる第3者(タナカ)をもっとも説得できたチームが勝ちです。相手を言い負かしたり、批判することではないこと。ジャッジは、話し合いの過程で出てきたことは忘れ、真っ白な状態で、各チームの発表で出て来た情報から公正に判断することが求められます。さて、話し合ってきたことからどの情報を選び、組み合わせるか、プレゼンの作戦を立てていきます。
いざ、プレゼンの時間。各グループから1人がプレゼンターとして、順番にタナカさん(ジャッジ)を説得してきます。ジャッジへ「あなたは日常で古文、使いますか?」と他チームの教科の弱みを問いかける英語チーム、話し合いで出てきた情報を組み合わせる国語グループ、あくまで“主観“(言い換えると”情熱“)で畳みかける数学グループ、とさまざまな方法でアプローチしてくれました。
最後、結果として最もジャッジが納得したのは「英語」グループの論でした。選ばれなかったチームでは、悔しそうな表情を浮かべる生徒さんもいらっしゃり、熱が入っていたことがわかりました。
最後、小菅さんが演劇とディベートの共通点について話してくれました。他者と意見を擦り合わせながらつくる、自分の本心や意見とは異なる立場になる、「相手」を意識して効果的な方法を選ぶことなど。根本はコミュニケーションについて扱っているのかもしれません。
次回は、ラストの表現ワークショップ授業。本日のディスカッションを踏まえた流れで、お芝居をつくってみます。9回を経て、最終回はどんなふうになるのか楽しみです。また来週!