青高④「違うキャラクターを演じてみよう!」(2021年6月)
目標:違うキャラクターを演じてみよう!
ねらい:フィクションの世界を演じることで違う自分を見つける。
演技を通じて見ている人とコミュニケーションが生まれることを実感してもらう。
2021年6月16日(水)6・7校時 14:10〜15:50 青谷高校武道場
対象:青谷高校3年「地域環境芸術」コース 18名
進行:鳥の劇場(やすだっち、れなぞう、タケ、YO-KONG、ふじさん)
1.省察 30min
2.アイスブレイクゲーム 「社長ゲーム」 〈グループ〉 15min
《休憩》
3.ダルマさんの日常 10min
4.「キャラクター」を使って社長ゲーム 〈グループ〉 25min
5.リフレクションシート記入 10min
青校4回目。まずは、T先生より。
「毎時間毎時間、みんなの新たな一面を発見させてもらえる、すごく充実した授業になっている。
リフレクションシート(以下RS)を読むと、文字量も多いし、取り組みが、厚みがどんどん増していっているなと感じる。ダルマさんのゲームで、(お題をパッと言われてそれをやる)対応力がすごい。他の人が自分とは違う捉え方で、同じことを表現している。他の人はこう捉えているんだなというのがわかることは面白い経験だったと思う。
1分間再生動画は、難しければ難しいほど面白くて楽しかった、という感想がありました。1分間やり続けるのは難しかったけど、難しい中でもどうしたらそれが伝わるのか、やり続けることができるのか、というのを工夫しながらやっている。見ている人はどんなふうに見ているのか、どうやったら面白がってくれるのか、ということまで考えていろいろ工夫しているのがすごい。
そんなかんじで難しくても、楽しい。そしてもっと学びたいということを書いている人が多い。
ここ数時間見ていて、不思議に思ったことがいくつかあって、RSのテンショングラフは後半に向けてどんどん上がっていく、でも書いてあることは難しい、難しくてどうしたらいいかわからない、でも楽しい。というところ。難しくてわからないとつまらないとなりがちなのかと思ったけど、みんなの頭の中ではそれが楽しい、気分が盛り上がっている、というのがすごい。というのがひとつ。
もうひとつは、なんでこんなに楽しんでのびのび演じることや表現したりすることができているのかな、と思っているのだけど。みんなのRSを読むと、どう見せたいか、どうやったら面白くなるのか、という工夫ができているのは…他の人が演じているのを見ているのも楽しい、というところがポイントかなと思っていて。自分に、他の人のことを受け入れる態勢ができているから見ていて楽しいし、見てくれている人も楽しませたい、どういうふうに工夫するのか、難しいけど楽しい。
という二つのことが、複雑に、いいふうに絡み合って、難しいけど楽しい、他の人たちがやっているのを見るのも楽しい。もっとやりたい、もっと学びたいという意欲のアップにつながっているのかなと思います。
というふうに、不思議に思うことが、みんなのRSを読んだり、実際に表現をふりかえってみることで、ああそういうことなんだな、ということが私なりにもストンとくる、いい時間になっているなと思います。
ふりかえりの大切さっていうのは、私だけでなくて、みんなも「前回のジェスチャーの真相が分かってスッキリした。」というRSの感想もあったし、「役ができるのが楽しい」「演技が楽しい」という感想、なんで楽しいと思えるのかなというのを自分なりに深く掘り下げてほしいと思います。」
本当に、T先生のおっしゃるとおり!難しさを楽しさに変えられるみんなのすごさに、鳥劇チームも油断していられません。
前回のダイジェスト動画を見る。自分たちで見つけた「〜力」、自分では思ってもみなかった「力」を言われて驚いたという生徒。ほかにも「日傘力」「以外なイライラ力」など、謎の力もたくさん出ていました。その後、前回の各班の発表動画を見ながら、やすだっちから、みんなの演劇的に素晴らしいところを解説。折り畳み傘を水筒に見立てたりという、きっと無意識にやっているけど実は演劇のテクニックを使っているところや、細かく丁寧な演技など、それぞれの班で光っていたところがありました。
それから班に分かれ、ブラッシュアップシートを使い、自分の班、他の班のいいところ、もっと良くできるところを話し合って見つける。
自分の班に対して、「言う事なし!!」と自信たっぷりの班や、「動きがあると良かった、セリフがもう少し増えたらいいと思った」という反省&次回はもっと良くしたい、という意欲あふれる班。
他の班に対しては、「全員しっかりなりきっていていいと思った!」「とても配役が細かった。」「花火が分かりやすくてよい」「ナイスアイデア!」「仲間に声をかけるのが良かった。」といういいところや、「セリフをもっと増やしたらよりわかりやすくなると思った」というアドバイスも。
そのあとは別の班の人たちと話し合って、お互いの班を褒めあうタイム。みんな楽しそうに、少し照れ臭そうに、お互いのいいところやアドバイスを話していました。
お次は、社長ゲーム。2班ずつ、社長&秘書グループと、社員グループに分かれる。
「社長!届いたメガネが、度が入っていません!」
「社長!今日で世界が終わります!」
など無理難題をふっかける社員に対し、社長は「それは良かった!」をセリフの頭につけてポジティブに切り返す。時には秘書に助け舟を出すことも可。みんなちょっと苦戦しながらも、面白いやり取りがたくさん出てくる。一巡したところで、休憩。
休憩後は、ちょっとブレイク。ダルマさんの日常を、〈性格〉をプラスして。I先生に、お題を出していただく。
「だるまさんが、面倒くさそうに歯を磨く。」
これに対して、「面倒くさいから、歯も磨かない〜。」という生徒。すごい!なりきっている。
「だるまさんが、ケチな人にブラックサンダーをおごってもらう。」
ケチすぎて、おごってくれなかった!と、生徒と一緒にやっていたやすだっち。I先生にはその場でお題を考えて言っていただきましたが、面白いお題ばかり!そして生徒の皆さん、性格のついた役をやるのもバッチリですね。というところで社長ゲーム第二弾、さらにキャラクターをつけてみよう!
陽気、まじめ、せっかち、お調子者、ぶりっ子、セクシーなどいろいろな性格が書いてあるキャラクターシートの中から、自分の性格とは一番遠いと思うものを選んで、演じてもらう。
またまた、かなり面白いやり取りが頻発。
「社長!明日、隕石が落ちてきます!」
「ちょうど良かった、明日、死のうと思っていたんだ。」
というやり取りの後、“優しい”性格の社員が、
「社長!社長は明日、死ねません…。」
「ちょうど良かった、やっぱり生きようと思っていたんだ。」
…なんてシュールな会話。「明日、死にたい」という社長を困らせることを考えないといけない、優しい社員から出たこの言葉。なるほどな〜。
ほかには、
「社長!秘書全員が社長の悪口を言っています!」
「かかってこい!」
というきっぷのいい社長や、
「社長!秘書が殺人を犯しました!」
「ちょうど良かった、うちは殺人を犯す会社なんだ。」
(!)という、ダークな会社も。
ほかにも、社長の妻の不倫問題が次々と発覚したり、社員がやってくるたびに椅子から降りて目線を合わせる腰の低い社長がいたり、のんびりやでゆ〜っくり悠々と歩いてくる、こっちが社長か?!と思わせる社員や、セクシーな男の秘書たちを従えた女社長、なぜか社長の椅子に消しゴムを並べ始めるお調子者の秘書…。
と、奇想天外な社長室のシーンの数々。やっている方も、見ている方も笑いが止まりません。
みんなの発想と、なりきる力の素晴らしさ。
一人一人、特筆したいと思う動きや言葉や演技があり、本当に楽しい、いい場が生まれているなあと思いました。それは、一緒に楽しみ、かつみんなをしっかりと見守っていてくださる先生の存在も大きいと思います。鳥劇が、そんな場を生み出すきっかけとお手伝いができたらいいなと、思います。
次回は、一年間の前半戦の区切りとなります。ここまでやってきた皆さんのさらなる進化を、楽しみにしています!
タケメモ
省察の後、各班に戻って他の班の良いところや、更に良くなる点等を話し合いました。
私の班では、みんなで一通り声を合わせて考えた後、それぞれ他の○班へと言うノートを一枚ずつ担当したのですが、はて?確かにそうだ、しかし僕は、私は、△△を是非言っておかないと…とばかりに4人が4人ともそれぞれの「こだわり」を見つけようと自分の言葉で熱心に書き足して居たのが印象的でした。
協調性があり他者を尊重し、声を聞きあい、仲の良い班ですが、さすがアーティスティックB班、ただ他者の意見に乗っかったり同調したりばかりでは決してなく、自らの視点、感じた事、気づいた事も同時に疎かにしない気概が強く感じられ頼もしく思いました。
それから、今日はその後、各班○番が、それぞれ一同に介し、自分の班を代表して気づいた点を伝え合いました。私はB班1番として参加、他の班の生徒さん達と話しましたがこちらでも、即座に本題に入り真剣に他の班の意見に耳を傾けていました。
B班のお題について「花火を一人で演じ切った彼の個性を最大限に活かし、彼でなければ表現し得ない様々な細かい点迄後の三人が理解し、補い合ってよくやっていた」等グループワークならではの美点を褒めていました。
他の班についても、ただ面白がっているだけでは決して無くそんな「批評眼」も持ちつつ向上心磨いているのは素晴らしいと思います。
タケ記