青谷高校WS 2018年6月初回レポート

6月13日 青谷高校WS 初回
ファシリテーター:モモ&ナッツ(國石、藤岡)
撮影:浜田

初顔合わせという事で、お互いに出方を伺っているような雰囲気。
モモ、ナッツの愛称が大きく手書きしてあるTシャツにいくらか緊張感も和らぐ。

0.モモ&ナッツの挨拶
定番となっている、漫才コンビ風のテンションの高い挨拶をする。
いつもならば白けたり、ポカーンとしたり、いいとこ苦笑いなのだが今回は違った。
小さくだが、声を出して笑ってくれる子がいた。
その子だけでなく、全体も好意的な反応。
「この子たちは、何か違う」という予感が団員の中を駆け巡る。

1.スライドを使って、授業の目的・目標を伝える

【目的】
「青高に来て、よかったな」と思ってもらう。
社会に出た時に役立つコミュニケーション力・協働する力を身に付ける。

【目標】
表現・演技を通じて、自分の色々な面を知る。客観的に自分を見る。
相手のことを知る。相手のことを受け入れる。
自分の考えを、相手に伝える力を身につける。

2.簡単な自己紹介(名前、ニックネーム、好きなもの)
団員交えて自己紹介。まず白ガムテープにニックネームを書いたものを各自服に貼ってもらう。
どう書くか悩んでいる子もいたが、「なんでもいい、本名でも大丈夫」と言う声に後押しされて
書き上げる。
モモが一番手で見本を見せて、生徒の自己紹介へ。
ただ聞くだけでなく、個々人の好きな物について深く掘り下げるような質問をすることで、こち
ら側に一人一人を知る意思がある、と示すことができた。また、好きなものに興味を持って質問
されるのはやはり嬉しい様子。この頃から生徒の中に安心感が出来始めたように思う。

3.アイスブレイクゲーム
・エアボール回し(想像上のボールを投げる・受け取る動作をするゲーム。)
皆ルールの把握が速い。
相手がこういう投げ方をしたから、自分はこういう受け取り方をした方がいい、と自然にできているようだった。
ボールの重さや形状が変わっても柔軟に対応している。
「渡す時・受け取る時に『はい』と言ってください」のルールにも、抵抗なくスッと馴染んだ。

・拍手回し、ポーズ回し(全員で円になり、手番の人が任意の相手に向けて拍手・特定のポーズ
をすることで、手番を渡すゲーム。)
ゲームを楽しんでいる。リラックスしている。
ポーズ回し、自分たちでオリジナルのポーズを考案するのには抵抗があるよう。無理にさせはし
ない。いかにその子たちの気持ちを途切れさせずに、楽しめるギリギリのところを攻められるか
を見極めていかなきゃいけない。

・古今東西ゲーム(お題に沿った答えを手拍子のリズムの中で順番に答えていくゲーム。)
お題:好きなもの、嫌いなもの、美味しい物
一つ目のお題の「好きなもの」は、自己紹介で言ったものが答えとして一つ確保されているので
、戸惑いがちな1巡目もスムーズに入っていけていた。
詰まっている時も、進行役が率先して「待ちますよ」と声がけをしたのもあってか、生徒も急か
す事なく、手拍子を続行して待てていた。しかも、その手拍子も段々音が小さくなったりせず、
一定のテンションで続いていたのがすごく良かった。

4.演劇系ゲーム
この辺りから即興性の強いゲームになってくる。
・しかしラリー(お題の文章の後に、手番の人が「しかし」で繋がる文章を答えるゲーム。)

お題1:ここにショートケーキがあります
お題2:恋人ができました

高校生ともなると、かなり論理的な答えが出てくる。
「恋人ができました」の回答は、現実味のあるものが多く出た。世代的に興味があるのと、身近
なので考えやすいのだろう。
面白い答えが出ると、皆手を叩いて笑ったりして、すごくやりがいのある雰囲気。

・しかしリレー(前の人の言った文章に「しかし」で新しく文章をつなげる事を繰り返す。全員
で円になって順番に答えて行く。)
 皆で足踏みしながらやるゲームなのだが、最初は少し抵抗があったようだった。しかし一回しは
じめると、最後までしっかりやってくれた。
かなり荒唐無稽な内容が飛び出してきて、「どうしよう」と戸惑っていることも少なくなかった
が、ちゃんと前の人までのストーリーを受け止め、より面白く繋げようとする気概が伝わってき
たリレーだった。常に皆ニコニコしていて、気分ものっていた。

・社長ゲーム(即興で受け答え。一人が社長、残りが社員になる。社員がどんなに困った案件を
持って来ても、社長は「それは良かった。丁度〇〇しようとしていたところなんだ」と前向きに
捉える。)
社長役は社員役より難しいので、進んでやりたがる子はいなかった。
しかし、促したらやってくれた。しかもうまい受け答えをしてくれた。
偉そうなポーズを取ってみたり、ノリノリ。

5.カタルタを使って、自分の好きなものの紹介
※カタルタとは…接続詞や副詞(しかし、ところで等)が一つずつ書かれているトランプサイズのカ
ード。
1セット54枚。

 今回は、一文言う毎にカードを一枚出し、その単語を文頭に使って文章を繋げていく遊び方。(
例:ここにケーキがあります。「なぜなら」父が買って来たからです。「たぶん」・・・)
1人5枚ずつ配り、準備が出来た人から発表。
 最初の自己紹介で好きなものについて触れているので、話の大筋に困っている様子はなかった。
難しい接続詞を引いてしまい、詰まっている場面もあったが、周りが聞く意識を途切れさせる事
なく続きを待てていたのがとても良かった。
リフレクションシートを記入して終了。

・全体を振り返って
6人と少人数なのもあるが、何より生徒たちの中に「コミュニケーションを楽しむ」素地がかな
りあるので、このメンバー全員で楽しむ、という意識が全体を通してあった。
ファシリテーターが事あるごとに褒めていたのも、生徒たちの「できる感覚」を促進していて、
好循環が生まれていた。