青谷高校⑧「立場を引き受けて主張する─ディベート体験」(2025年12月)

日時:2025年12月3日(水)3・4時限 10:55〜12:35
会場:青谷高校 多目的室
担当:石丸先生、山根先生
進行:小菅、サポート:田中

 

今回のワークショップでは、ディベートを通して「意見をつくること」を体験しました。

テーマは「もしも青谷に原発ができるなら」。生徒たちは賛成・反対の立場に分かれ、それぞれの立場を引き受けて主張を組み立てていきます。

はじめに、小菅さんからディベートの考え方とルールを説明。

自分自身の考えや感情と、与えられた立場は切り離すこと。相手を論破したり、勝ち負けを競ったりすることが目的ではなく、「その立場として、どこまで筋の通った意見をつくれるか」を考えることを大切にします。どちらの意見に、より納得感があったかは、聞いている第三者が判断します。

 

生徒さんはまず、賛成派・反対派に分かれてリサーチを行いました。その後、それぞれが調べた内容を一度発表します。この発表が、次のリサーチや反論を考えるための素材になります。

 

最初の発表では、次のような意見が挙がりました。

・賛成派

-二酸化炭素を排出せず、地球温暖化対策につながる

-一般家庭が使う電力量の大部分を賄える発電量がある

-原子力発電のコストは、他の発電方法と比べても極端に高いわけではない

 

反対派

-観光地としてのイメージが損なわれる可能性がある

-放射性廃棄物は消えず、地中処分が必要になる

-事故が起きた場合、その土地で暮らせなくなる

-健康への影響が心配される

-建設や管理に多額の投資が必要になる

 

これらの意見を踏まえ、生徒さんは次の段階へ進みます。

相手の主張を受け取ったうえで、「では、どう反論できるか」「どこを補強すれば説得力が増すか」を考えていきました。

 

二回目の発表では、議論が一段深まった意見が出てきました。

 

・賛成派

-健康への影響については、日本の安全基準が世界的に見ても非常に厳しいこと、影響が低いとする科学的データがある。

-建設費は1〜2兆円と高額だが、燃料費は比較的低く、長期的には電力を安定して供給できる。

-事故時の影響についても、この地域の地形を踏まえるとそれほど影響がない。

 

・反対派

-建設に10〜20年という長い時間がかかること、燃料資源はいずれ枯渇すること、他の発電方法でも電力を賄える可能性があること

 

2回目の発表では、逆の立場の主張と照らし合わせた意見として構成されており、見応えがありました。自分では選ばない立場を、客観的な情報で説得するのは、慣れていないと難しいものですよね。でも、よくやっていました!

 

発表後、第三者として聞いていた山根先生、石丸先生、田中が、「どちらの主張により納得感があったか」という観点からコメントを行いました。どちらも素晴らしかったですが、意見により多くの根拠を示されていた賛成派に軍配が上がりました。

 

私は、このディベートの構造が演劇にもよく似ていると感じました。相手の言葉や行動を受け取り、それに応じて次の言葉を出すこと。そして、自分自身の感情よりも、「見ている第三者にどう受け取られるか」を意識する点です。

 

立場を引き受けて話す経験は、生徒さんにとって新鮮だったようです。意見を持つことと、人としてどうあるかを切り離して考えることが体験できたのではないでしょうか。

 

● 生徒さんの感想

・メリットだけでなくデメリットも考えながら反論するのがとても難しかった。

・自分で調べて意見をまとめるのは楽しく、またやってみたいと思った。ちなみに、私は風力発電派です。

・自分としてはどちらの意見にも納得できる点があったが、あえて賛成の立場に立って意見を持っていくところにやりがいを感じた。

 

次回は青高での授業のラスト回です。では、またお会いしましょう!