青谷高校⑤「あのアニメを再現!〜子どものおもしろさ・大人のおもしろさ〜」(2025年11月)
日時:2025年11月5日(水)3・4時限 10:55〜12:35
会場:青谷高校 武道場
担当:石丸先生、山根先生 見学:中島先生(社会)
進行:小菅 サポート:田中
- 短編劇をつくってみよう!

授業を始める前に、小菅さんから「今日は演劇っぽいことをやりますよ」と伝えると生徒さんから「いよいよっ!」という声が上がります。楽しみにしている様子が伝わってきます。
今日は、みんなが知っているあのアニメで劇を作ってみます。
みんなが知っている某有名アニメ「ドラ●もん」の構造を使います。小菅さんが、今回作品を作る時の流れを整理して、ホワイトボードに書いていきます。
流れは、こう!
①問題が起きる
②ひみつ道具が登場する
③問題解決
④事態がおかしくなる
⑤結末
この日は、この構造をもとに2チームに分かれて2回の劇を創作します。まず1回目は「子どもが見ておもしろいと思うもの」、そして2回目は「大人が見ておもしろいと思うもの」をテーマに、それぞれチームで発表まで行います。
●まずは子ども向けの作品

2グループに分かれて、台本をつくっていきます。台本づくりの時間が始まると、誰かが意見を出して、それに乗っかる形で話が進んでいきました。アイデアが思いつく子が引っ張るチームもあれば、静かなチームはぽつぽつと話しながら、少しずつ、でも着実に進んでいく感じです。
制限時間内で作るときには、台本だけにこだわりすぎると進みません。大枠を決めてから、立ち上がり実際に動きながら決めていくという流れで、台本決めが進んでいくこともあります。そして「なるべくセリフは覚えてね」という小菅さんから指定があります。「え〜!」と言いながらも楽しそうな生徒さん。短い時間ですが、何回も練習を重ねます。セリフをぶつぶつと呟いたり、早回しをしたりと、みなさん真剣です。
そして発表!ひとつのグループの発表を紹介します。ここでは、「しずかちゃんに告白したい。でも指輪が小さい。のびたくんがしずかちゃんに告白。指輪が大きく見えるメガネをプレゼントしたら、指輪が大きくなって、しずかちゃんが喜んでくれた」というストーリーが生まれました。アニメの構造に沿って、劇をつくることができました、お見事!
●大人向け、社会問題を扱って

さて休憩を挟んで、2回目の台本づくり。次は、小菅さんから「大人向けは、社会問題を扱って」という設定が加わります。すると、恋愛やSNSといったテーマに加えて、ネットストーカーや闇バイトといった、より現実的な問題が描かれるようになりました。
あるグループでは、闇バイトに手を出そうとするのびた君のもとに、大人になったのびた君が未来からやってきて「いいことないからやめたほうがいいよ」と忠告します。
もうひとつのグループではでは、SNSでしずかちゃんをストーキングする人物が、しずかちゃんの働くコンビニにやってきます。そこでのびた君が「むきむきカプセル」でマッチョになり、ストーカーをやっつけるという、なんともぶっ飛んだ展開に!
- 状況をクリアにすることで生まれる「らしさ」
青谷高校のワークショップでは、大きな声を出すとか、言い方・見せ方をブラッシュアップするといったような、演技の指導はあまりしません。それよりも状況を深掘りして、クリアにしていくことで、自然と「らしさ」が出てくることを大切にする時間のようにそうやってつくられていく景色が面白かったです。

今回、先生方も一緒になって参加してくれました。生徒のみなさんと一緒になって、意見を言ってくれたり、演技のアイデアを出してくれたりしました。終わってからの感想をお聞きすると、担当の石丸先生は「いつもは静かな子が参加していて、しかもいつもと全然違うキャラクターの役で発表の場に立っていることが、一番の成果です」とおっしゃってくださりました。
- 感想戦で生まれた問い
最後のまとめの時間では、ある生徒から「SNSのストーカーは、マッチョでやっつけられたら、反省してストーカーをやめるのか」という問いが生まれました。物語の結末をただ楽しむだけでなくその先を考える、こうした感想戦もこの授業のよさでした。
ではでは、また来週!
★生徒さんからの感想
・闇バイトに引っかかりそうになって、未来ののび太に話しかけるのが楽しかったです。
・自分が楽しく演じられて、なかなか深い話になったのがよかった。
・大人向けの話や社会問題について考えさせられました。