青谷高校④「シアターゲームでコミュニケーションを遊ぼう!」(2025年10月)

  • 目標:よく知らない人同士で、さまざまな形のコミュニケーションをとる
  • ねらい:課題解決のために必要な他者との関わり、自己分析・自他理解

 

日時:2025年10月15日(水)3・4校時 10:55〜12:35

会場:青谷高校 武道場

対象:青谷高校3年「地域環境芸術」コース7名(男子2名、女子5名)

進行:小菅、サポート:田中(ときどき進行)

 

今日は、7月の現地学習ぶりに、青谷高校へ!みなさんお久しぶりです。

後期の授業のはじまりです。

今日の授業を通して目指すのは、「自分と違うもの(他人)」を知ること。そのための知恵が演劇には詰まっています。そんな話が小菅さんから、最初の10分ほど。生徒さんたちも、ふむふむと耳を傾けてくれています。そんな話を踏まえて、今日の青谷高校ワークショップのスタートです。

 

  • カウントゲーム 10min

2人1組になって、交互に1〜3までの数字を数えていくゲーム。前期にも実践したワークで、空気感を思い出してもらいます。今回も途中で「数字を相手の名前に変える」「手を叩く」などのルールが加わります。どんどん難しくなる〜〜!

難しくなった分、途中でカウントが止まることもしばしば。でも、それが面白いっ!できないからこそ、相手を待ったり、「あ、今こうだよね?」と助け舟を出すフォローが自然に生まれていました。できることを目指すのではなく、できないことを一緒に味わう、自然でいいコミュニケーションだなあと思いました。

 

  • 指差しゲーム 10min

「連想」と「非連想」の2つのパターンに挑戦。

・連想:指さされたものをそのまま言う
・非連想:指さされたものとは関係のないことを言う

連想はスムーズだけど、非連想では言葉に詰まる。私も昔にやってみたことがありますが、「今見てるものと、それに関係ないことって浮かばない…!」と頭の中がパニックになってしまいます。生徒のみなさんもそうだったのでしょう。武道場のいろんな場所から「……っ…!」という音が聞こえてきました。私たちは言葉の世界に生きていて、言葉とものが連動している、そんなことを体感するワークでした。

  • ステータスゲーム 25min

その場にいる9人で1から9の番号を引き、テーマに沿って順番に並ぶゲームです。

お題は2つ。「白米に合うもの」「授業中に起きたらやばいこと」です。

ルール:1が「1番テーマに沿うこと(白米に1番合う、授業で起きたら1番やばい)」、9が「1番沿わないもの(白米に1番合わない、授業中起きても全然やばくない)」。

 

話し合いをしながら、相手の価値観をすり合わせていきます。「え、それって授業中でもそんなにやばくなくない?」「いや、めっちゃやばいでしょ!」と意見が分かれる場面も。

自分の価値観と他人の価値観のズレを知り、それをすり合わせて1〜9に順番に並べたら、やったー!という達成感。数字が揃わなくても、「あなたはこう考えているのね!」と相手にとって基準を知ることができました。

 

  • 自己紹介(ウソ入り)40min

自分の自己紹介を考えて発表するのですが、小さい嘘、大きい嘘を混ぜていくのがルール。自己紹介といえば、出身地や名前、趣味や休日にしていること、過去の経歴などなどが思いつくと思いますが、最低、3つは嘘を混ぜよう。

 

最初、小菅さんがお手本を見せてくれました。明らかに嘘だとわかることもあれば、「え、嘘っぽいけど本当っぽい…?」とどっちかわからない事象もありました。難しい!

 

小菅さんのお手本を見たあと、みなさんへ自己紹介の記入用の紙が配られます。どんなふうに書こうかと悩み、たくらむ個人作業の時間です。10分ほど考えたあと、発表タイム!

 

「猫派か、犬派かって聞かれたら犬派」

「おこずかいは5000円」

「ギターを始めた。近々デビューします」

「小さいころの夢は、人魚になること」

「髪の毛は、高校に入ってから1回も切らずに伸ばしている」

などなど…考えた自己紹介を発表してくれます。

えっ、それって嘘なの?本当なの?わかんないー!

最後に、発表したそれぞれから、どれが嘘だったかの答え合わせをします。

真実が解き明かされる瞬間です。聞いていた人からは、「あーやっぱりね」「えっ、嘘なの!?」などと反応が。

 

「え、自分って相手をどれくらい知ってるんだっけ?」

 

発表する側からすれば、「ここで笑いが起きた」「ここは嘘なのに真剣に聞かれている」という反応の違いを感じることができました。

演劇では、相手がどう受け取るかを想像しながら表現します。このワークでは、自分の言葉が相手にどう届いているかを、リアルタイムで感じることができました。

 

★生徒さんからの感想

・自分の意見や考えていることなどがあり、それを発表することで、たがいにしれることがおもしろかったです。

・うそをつくのがおもしろかった。

・授業を通して、みんなと仲良くなれてよかった。

・小さい嘘だといつも一緒にいる人でも嘘を見抜けないと思った。

 

★ふりかえり

今日は、「自分と違う他者」を知るためのいろいろな方法を試しました!

できないことを一緒に味わったり、言葉とものの関係を意識すること、価値観のズレを知ること。相手の反応を感じ取ることを体験してもらいました。「相手や自分を知るための知恵が詰まっている」という小菅さんの言葉がじんわりと沁みる時間でした。