鹿野学園4年生①「演じるってなんだ?」(2025年5月)

2025年 5月 26日(月)27日(火)3・4校時10:35〜12:10 @プレイルーム

進行:なかしまさん、れなさん、せんちゃん

★ 短いセリフを元に「演じる」ことは何か考えてみる
☆「いつ」「どこ」「だれ」を考えて「いま」をつくってみよう

 

○ 1日目:「演じる」ってどういうこと?
これまでの学年でも演劇に取り組んできた4年生たち。今回は「より専門的にやってみるよ」という声かけからスタートしました。

「えー!むずかしそう…」と少し不安げな子もいれば、「やったー!」と元気な声をあげる子もいて、反応はさまざま。最初に行ったのは「拍手まわし」というゲーム。この学年では初めての活動で、3グループに分かれて取り組みました。俳優も一緒に輪に入り、拍手をテンポよく、あるいはゆっくり、時にはランダムにまわしていきます。目を合わせてタイミングを測る様子や、「にゃお」と声を出して拍手をまわす工夫など、それぞれのグループの個性が見えてきました。他のグループの様子を見て「おお」と声をあげる場面もあり、互いに刺激を受けながら楽しんでいました。

 

 

次に台本を配布。自分の担当の人物のセリフを、全員で一度読み合わせたあと、グループに分かれて改めて練習します。「セリフを最低3回読む」というルールのもと、子どもたちは何度も丁寧に読み重ねていました。中にはすでに台本を手放し、覚えてしまっている子も!

いよいよ稽古に入る前に、なかしまさんから問いかけがありました。
「どうしたらもっと面白くなるかな?」「どうしたら“演劇っぽく”なるかな?」
そこから「立ち方を変えてみる」「声を大きくする」といった演劇的な工夫のポイントを、みんなで整理していきました。

 

 

立ち稽古では、役になりきって演じる子どもたちの姿も見られました。腰を曲げてゆっくり歩く人、「〜でちゅか?」と話す人など、自分なりに工夫して表現する様子が印象的で、とっても素敵でした。

最後にグループごとに練習したもの、あるいは途中まででもできたところまでを発表。発表の合間には、なかしまさんから「ここがよかったよね」と具体的なフィードバックも入りました。
「全員の立ち位置が重なっていなかったから見えやすかった」
「声が大きくてしっかり聞こえた」
など、良い点を共有しながら、演劇的な観点を子どもたちと一緒に振り返りました。

 

 

最後には、リフレクションシートの記入も行いました。4年生からは新しいフォーマットとなり、3年生までのものより少し複雑に。テンションの変化を線で表したり、印象に残った場面を選んでその理由を書いたりと、それぞれが自分の体験を丁寧に言葉にしてくれました。

 

 

○ 2日目:「だれ・いつ・どこ」を明確にしてみよう
2日目は、まず教室で前日のふりかえりからスタート!1日目の写真や動画を見ながら、担任の先生と一緒に振り返りました。

先生からは、「楽しそうに、そして一生懸命取り組んでいてよかった」という取り組みについてのコメントや、「表現を大きくすると相手に伝わりやすくなるね」という演劇的な視点についても話がありました。

 

 

続いて、なかしまさんからも、「声の向き」や「立ち位置」についてのコメントがありました。前日の発表写真や動画を見ながら、「どうするともっとお客さんに伝わるかな?」と、子どもたちと一緒に考えていきました。その後はプレイルームへ移動。少し体をほぐすゲームをしたあと、いよいよ昨日の続きのパフォーマンスづくりに入ります。

この日は、「その人はだれ?」「いつのこと?」「どこで起こっているの?」といった「状況」を意識することがテーマです。この3つの点を明確にして、各グループが自分たちの作品をさらに深めていきます。

稽古の途中では、なかしまさんが待機する別教室に行き、仕上がった部分を見せてアドバイスをもらう時間も。各グループとも、やりとりを通じて表現を磨いていきました。

発表タイムでは、
「雪の日に雪だるまを作っている女の子のもとへ、病気のおじいちゃんが犬を探しにくる」
「犬がいなくなって泣いている男の子のもとに、サラリーマンやOLがやってくる」
「おばけに会いに、犬を探す人たちが来たが、見つけたのは探していた白い犬ではなく黒い犬だった」
など、それぞれのグループで設定に前段や続きを加えながら、登場人物の関係性や状況をよりはっきりと描き出していました。世界観のある発表が多く、とても素敵な時間となりました。

 

 

最後に、なかしまさんが「演劇をやるのに、ちょっと不安が減ったな、できそうだなって思った人?」と聞くと、たくさんの手がスッと挙がりました。
最初は不安だったけど、やってみたら案外楽しかった。そんな実感が、子どもたちの表情や動きからもしっかり伝わってきました。

 

○ 進行なかしまさんよりコメント
4年生になってはじめての演劇挑戦でした。演劇に少していねいに分析的にアプローチする第一回目です。同じ台本をもとにして、各班がそれぞれに違うお芝居を作ることができたのが素晴らしかった。演技を考える時、「どこで」「いつ」「だれが」はこれからもずっと考え続けてもらいます。ゲームも上手にできました。

 

次は6月の2週目。またどんな表現に出会えるか、楽しみです!