鹿野学園6年生①「脳内会議~劇団日影とともに」(2020年7月)

☆活動目標:脳内会議(行間)を考えてみよう
☆学習目標:物事の因果関係を考える。

進行:ヨリ
GF:日影千草、袋小路ナオ、姫川ユカリ、伊集院ユウ、南島マヤ、源三
記録:後藤、奥田、中川

■1日目̶̶̶[WS]7/9(木)5,6校時13:45~15:35@ランチルーム

1. 劇団日影紹介
台本には、演者の動きを指示するようなト書きと言われる表現があり、俳優は演技を組み立てる際に、このト書きに描かれている行動の意味を考えます。「行間を読み」、「間を埋める」という作業です。今回はこの「間」を取り上げて、このト書きの行動の間に人物の頭の中で巡らされているであろう「やりとり」を想像してみるというワークショップです。
信頼のおける劇団日影のみなさんにご協力をお願いしました!(きらびやかな日影の方々に、みんなちょっと驚いたかもしれません…)

2. アイスブレイク:「しかし」ラリー(20分)
劇団日影の練習にも取り入れられている「しかし」ラリー。
お題は「ここにショートケーキがあります」と「明日から夏休みだ」。
全員で輪になり、日影先生に指名されたらお題の後に「しかし」で始まる文章を言う。他の人はそれに対して「なるほど!」と返す。
急に指名されてもみんな臆することなく様々な「しかし」を披露。

「ここにショートケーキがあります。しかし、苺がない」!
「ここにショートケーキがあります。しかし、スポンジがない」!
「明日から夏休みだ。しかし、家が燃えた」!!
「明日から夏休みだ。しかし、まぼろしだった」えーーー!!!

3. 「脳内会議を考える1」(35分)
5~6人のグループに分かれる。
「図書館で棚から本を取り出して開いたら、そこに千円が挟まっている」という状況で、「図書館の人に告げる」派と「千円をネコババする」派に分かれて頭の中での会話を考える。
その際、自分の意見は「しかし」で始め、「だから告げる(ネコババする)」で終わるようにし、他の人は必ず「なるほど」と言って返して告げる派とネコババ派が交互に会話する。1人1回の発言でOK。
1ターン終わったら、派閥を変えたり結果を変えたりして同様のことをやってみる。
見本では、図書館の司書さんを伝説の大女優日影先生が、そして千円を見つける人をS君が演じた。(突然のお願いにもかかわらずS君、堂々とした演技でアドリブのセリフも入れてくれました!)
やってみたうちの1つのパターンを発表。
グループファシリテーターについた劇団日影の俳優が、それぞれのグループの「千円を見つける人」を、「図書館の司書さん」を引き続き日影先生が演じた。

(休憩5分)

4.「脳内会議を考える2」(40分)
今度はやりとりの数を10回にして台本の形にする。
説得力を上げるために、「一貫した人物像」「セリフの内容を共感できるものにする」の2点に注意してみる。
話し合いの様子をK先生は、「6年生にとっては今年度初となるワークショップで心配してましたが、意見を出し合って和気あいあい楽しそうでしたねぇ」と。
キャラクター設定をしっかり決めるところから始める、台本の後ろから書き進める、二手に分かれて2作品同時製作、一人一人に回しながら台本を埋めていく、と4つのグループが全部異なる進め方をしていたのが素晴らしい。
また、ある生徒が「自分がどう思うか考えればいいんじゃない?」と友達にアドバイスしていたのも印象的でした。確かに!

発表作品はこれまた独創的な力作が並びました。
人目を気にしていたけれどなんと周りにいたのはマネキンだったり、現場は図書館を超えて高級パン屋さんになっていたり、パチンコにお金をつぎ込む中年男性が主人公だったり、生徒が司書役を買って出て、ネコババしようとする主人公に「何をしているんだい?」と声をかけ芝居にオチをつけたり…

4. リフレクションシートを書く(10分)

■2日目̶̶̶7/10(金)5,6校時14:00~15:40@ランチルーム

5. 省察(50分)
M先生の進行での省察。
先生「友達のよかったところを見つけながら振り返りましょう。そして今日はさらにパワーアップした作品を作って!」
グループで他のグループの作品をiPadで見てコメントを記入、さらにそのコメントを受けて自分たちを振り返り発表するという新しいスタイル。
「こんな意見をもらったので今日は〇〇〇〇を取り入れて頑張ってみようと思う」など。

iPadにみんなが頭を突き合わせて友達の作品をしっかり見ていました。
「独り占めすんなよー、みんなで見ようやー」という声が…
この日は先生方の研究会の日でもあり、生徒たちがビデオを見ている姿を大勢の先生が周りから見学している中でもありましたが、友達からの感想を聞いて意外に思ったり、その時の気持ちを言ったりと、みんなのびのびと発言していたのも印象的です。

(休憩5分)

6.「脳内会議を考える2.5」(作業25分 発表20分)
一人の中にも様々な性格が同居しており反する意見を頭の中で戦わせているのではないか、という仮説のもと、脳内の人物たちに性格づけをして演じてもらいました。
様々な性格を書いたシート(陽気、真面目、めんどくさがり、自己中、豪快…etc)を、みんなかなり参考にしてくれた模様。
この日の発表ではぶりっ子を頑張った男子生徒など、キャラクターがぐいぐいと前面に押し出す場面がたくさん見られました。
全体的に声も大きくなっていて、日影先生も「うちの劇団に欲しいわ」とこっそり耳打ちされましたよ!

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M先生が2日目の終わりに「まだまだやりたそうだね。みんなの新たな面が見れたよ」とおっしゃった言葉につきるのではないでしょうか。
5年生のときよりもグループに話し合いも上手になっていたし、人前で何かをすることに自信があるように見えます。
まさに変化の途中なのだな!