鹿野学園5年生④「自分が監督、自分が主役」(2021年1月)

☆活動目標=自分が主役で監督のビデオをとる。主役の楽しさ・主役のコツ 脇役の楽しさ・脇役のコツ
☆学習目標=発案と共同的な発展。表現WSでやってきたことを活用する。

2021年1月21日(木)・22日(金)3・4校時10:35〜12:10 @流沙川学舎プレイルームと中庭
進行:中島 補助:齊藤・中川・村上さん(1日目のみ) 記録:三輪・筧

1.ウォームアップ
2.「春」をテーマに、説明と練習 
3.自分たちで「春」をやってみる〈5人組7チーム〉
 事前に各チーム内で1−5まで番号を振っておく。4番の人の「春」を元にして、打合せて撮影。
4.できたものをみんなで見る。
休憩
5.各チームそれぞれに、テーマセット【1「雪」2「台風」3「正月」4「図書室」5「氷」】を与え、一斉に撮影。
6.チーム内で確認。
7.全員に「流舎川学舎での思い出といえば(   )」の紙を配り、書いてみる。
8. リフレクションシート
9.(2日目)先生による省察
10.チーム内で「思い出」を紹介し合い、昨日の要領で全員の作品撮影。

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●一日目
ウォームアップ
まずみんなで体を動かしてみよう。空間をグルグル歩く。それからぴょんぴょんジャンプ。体、あったまってきた?では、お題!餅になってみよう!…餅??おずおずと体を動かす子がちらほら。モデレーターの中島さんが、子どもと一緒に動いていた鳥の劇場の村上さんとヨリさんにきいてみる。何してた?餅ついてました、と村上さん。餅になって膨らんでました、とヨリさん。いろいろだねぇ、じゃあみんなで一回餅ついてみようか、と中島さん。みんなで餅をつく。体が動いてきた。お次は…バナナ!今度のお題には、すぐ体が動く子が続出。手をぐんと伸ばして頭上でくっつけて。なるほど、バナナの形ね。
ちょっとおずおず感のある始まりだったけど、体を動かしている子は結構たくさんになってきましたよ。

「春」をテーマに思いついたことを書く
配られた白紙の面に、まず「春」と書く。それぞれの春。真ん中に堂々とでっかく書く人、いくつも「春」を書く人、少し端っこに書く人、イラストつき。さまざま。その紙の裏に、春ときいて連想することを書いていく。おお、いくつもアイデアを書いている子がたくさんいるね。

「春」から思いついた言葉から一つを選び、短い場面を作って撮影してみる
まず連想した言葉を発表してくれたのはGくん。いっぱいあるなあ!場面つくりもやってみる、と意気込んでくれる。Hくんも手を挙げて参加する。さて、まずどの言葉を選ぶか?どんなシーンにするか?誰がどの役をやるか?打ち合わせ時間はなんとたったの2分。いけるのかな。鳥の劇場の村上さんとヨリさんも一緒に4人で場面をつくる。中島さんはiPadで場面を撮影。結果、立派なワンシーンが撮れました!すごい。見守ったみんなも、なるほどこういう流れでやるんだ、とわかった様子。

7班に分かれて、それぞれの班で「春」の場面を撮る
それぞれの班に分かれた子どもたち。まずはぐるっと輪になって話し合う。早速動き出した班もある。体をつかって表現してるな。あれはきっとお花見だ。上手だなあ。

それぞれの班の撮った作品を見る
おっと、みんななかなかうまく撮れてるじゃないの。あら、映像が消えてしまった班が。大丈夫!これは練習だから。映像を消しちゃわないように、今度から気をつければいいんだよ。

休憩

班の人にそれぞれテーマが与えられ、そのテーマから思いつく言葉を書く、それから撮影!
なるほど、さっきと同じ要領だね。しかしこの前は「春」でわかりやすかったけど、今度は「氷」とか「台風」とか、ちょっと考えちゃうなあ。でも、子どもたちのペンはちゃんと動いてる。連想を絵にしてる子もいる。紙の上にはすでに、表現の芽がいっぱい、ふつふつしてる。
必ず班の全員が、自分のアイデアを主役兼監督として30秒のシーンにしないといけない。それに、他の仲間のアイデアの撮影も担うのだ。打ち合わせは2分。本番は30秒。迷っている暇は無い!とりあえず、やってみる!おお、すごいすごい、みんな残らず撮影もして監督もして、仲間のアイデアを聞き出して、班全員で演じてる。

●二日目
昨日つくった作品を観て振り返る<省察の時間>
男の子班のノリノリの作品も、女の子班の作り込まれた作品も、みんなお互いの作品をよく集中して観てる。全員分となると、けっこう長い時間なのに。鳥の劇場の中島さんとヨリさんが、各班の作品の良さを指摘。観ている人にとって楽しい作品をつくろうと、それぞれが工夫していること。その「楽しさ」には、YouTube的なノリであったり、奇想天外な発想であったり、体を使った表現であったりする。もしかして偶然できたのかもしれないけど、すごく面白い効果が出ているカメラワーク、画面と奥と手前で違うことをしていることで生み出される奥行き。などなど。30秒って短いようで、ワンアクションじゃ足りなかったり、かといって壮大な前後をつけるわけにはいかなかったり。難しいこと、できそうなこと、みんなよく考える目をしてる。自分たちの班の作品について質問されると、生き生きと答えてくれる。

休憩

ウォームアップ
まず空間を歩く。それからぴょんぴょん飛び跳ねる。今度は早足で歩く。あれ、ストーブの近くをグルグル歩いている子たちがいるよ。確かに前半は座ってじっとしてたから、体が冷えちゃったよね。さてさて、今日の「なってみる」お題は…気持ち!まずは、「びっくり!」。お、体が動いている子がちらほら。手を広げている子、びっくりしすぎて床に転んでる子。お次は、「そんなあ」。顔を俯かせる子、頭を抱える子。ちょっとは体が動いてきたかな?

「思い出」紹介と班ごとでの撮影
自分の「思い出」のタイトルを白い紙に書いて、裏にキーワードを書く。昨日と同じ要領のはずだけど、今日は時間が短めだな。この「思い出」を各班で紹介する。お互いに何を「思い出」にしてるか、わかったかな。さて、ここからが大忙しだ。これを再び班ごとに分かれて、それぞれの思い出を30秒の映像作品にする。制限時間はなんと、打ち合わせ1分、本番30秒!ええー短い!!ほとんどぶっつけ本番になりながらも、なんとか全員分をつくろうと大頑張り。昨日よりもっと集中して、カメラの使い方も工夫しているかんじ。どんな作品ができるのか、楽しみだなあ。一つの班は、とてもよく考えて工夫しようとしていたら時間内に終わらず、授業の後に時間を見つけて、自分たちで全員分撮ることに。男の子の班も作品の出来を高めたいから撮り直したい、と自発的にやってくる。みんなワークに対して積極的。それぞれの班だけじゃなくて、本当に一人ひとりが主体的に取り組もうとしてるんだね。それってすごく大事なことだなあ。

●学習目標にたいして
みんながそれぞれに発案し、映像づくりの主役になる。これが学習目標だった。結果として、全員分の作品をつくることができた。それぞれに工夫のある作品だった。これは、主役になることを拒否した子はいなかった、ということ。また、周りが自分の班のそれぞれをお互いに盛り立てて、支えた、ということだ。この意味では、学習目標は達成できたと言える。

●鳥の劇場側の反省点
–省察の時間に、すべての作品を鑑賞した後でなく、それぞれの班の作品を鑑賞した後にて適宜コメントをしたり、子どもたちの手ごたえやアイデアについて意見を聞いたり、お互いに話し合ったりできると良かった。省察の時間を、子どもたちの発言がたくさん交わされるような、生き生きした時間にしたい。
–二日目は、30秒の映像を撮る感覚を子どもたちは掴んでいた。なので、打ち合わせ時間、実際に撮影する時間を、鐘を鳴らして小刻みに知らせる必要はなかったかもしれない。むしろ、全員分を○分以内で撮ってきてね、という指示の方が、子どもたちが打ち合わせ時間と撮影時間を自分たちでフレキシブルに配分できただろう。
–「思い出」というお題の出し方でなく、「心に残る学校生活の一コマ」としたほうが、短い映像作品をつくるお題として、子どもたちが取り組みやすかったかも。