鹿野学園5年生③ 絵の中の〇〇さんと話してみる(2021年12月)

☆活動目標 絵から想像する。調べてみる。
☆ねらい 感受性の解放に力点を置く。文字化された情報から入るのではなく、10枚の絵から感じられるインパクトをまずは感じてもらい、そこから細部を自由に想像する。

日時:2021年12月9日(木)・10日(金)3・4校時 10:35〜12:10
@プレイルーム
進行・撮影:鳥の劇場(中島、中川、奥田、藤木)

—-1日目—-

0.体をほぐすストレッチ。空間に慣れる。     10min

1.絵を見て感じる  〈それぞれ〉     10min

2.どの子にするか選んで、調べてみる  〈5グループ〉     25min

***休憩***

3.その子の言葉を読む  〈5グループ〉     15min

4.その子への質問を書いてみる  〈5グループ〉     15min

5.リフレクションシート記入     15min

—-2日目—-

1.【省察】 昨日の活動で思ったこと、感じたことを発言 〈みんなで〉 10min

2.【省察】 一つの質問の答えを、グループで考えて発表 〈5グループ〉25min

3.「もっとやってみる活動」の説明   〈みんなで〉   10min

***休憩***

4.班で決めた子を迎える会の話し合い、練習  〈5グループ〉  30min

5.発表   15min

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7月の時以来、久しぶりの表現WS。
みんな落ち着いた雰囲気だなあというのが第一印象でした。
まずは体をほぐすストレッチから。体のいろんな部分を動かす。頭皮も触って、感じてみる。

『自分の体を感じた。自分の体がある。』(RSより)

次に一枚の上着の動きに合わせて、みんなで動いてみる《上着リモコン》。
みんな上着の動きを集中して見て、丁寧に動いていました。

『ジャケットは同じ動きをしているのに、みんなの体の形や動き、向きが違ったのはなんでだろうと思った。』(RSより)

本題へ。プレイルームをぐるりと取り囲む、いろいろな国の子どもたちの絵。
3分間、無言で絵を見る。そのあと、大人のいる3ヶ所に分かれて、感じたことや気になったことなどを伝え合う。
あるグループでは絵の子どもと同じポーズをみんなでしてみて、「どんな感じがする?」「たいぎい感じ。」あるグループでは銃を持っている子どもの絵を見て、「(銃を道で拾って)交番に届けるところじゃない?」あるグループでは「これ、ワカメかな?」「布じゃない?」(実際はタバコの葉)それぞれ、絵を見て思ったこと、感じたことを素直に言いあっていました。

『みんなの考え方や想像のしかたが違った。』(RSより)

その後に4〜5人のグループに分かれて、どの子にするかを決めて、その子の国を調べる。ロシア、ネパール、インドネシア、メキシコ、シエラレオネ。
各自iPadや本を使って。大きい地球儀で、国の位置を確認する子もいました。日本と、その国の位置を手で示して、「遠いねー」「ほとんど、地球の反対側だね。」
その国の言葉が気に入り、繰り返し言っていた子もいました。「サンパイ ジャンパ ラギ(また会う日までさようなら)」その子の心になにか響くものがあったのだと思います。メキシコのことを調べた班ではしきりにトルティーヤが話題に出ていました。
調べてわかったことをふせんに書きだし、絵の周りに貼る。また、みんなで見てみる。
それから、いままで隠してあった絵に付随しているその子の言葉を、選んだ班の人たちで声に出して読んで、みんなで聞いてみる。子どもたちの実際の生活をあらわすそれらの言葉を読んで、みんな驚いたようでした。

『その子の言葉が意外だった。』(RSより)
『絵にうつっている人によって感情が違っていて、もっと調べたくなった。』(同)

ふたたびグループに戻り、今度はその子への質問を書いていく。
・なんで親に水くみをしてもらわないんですか?
・うすいぞうりで、足が痛くないの?
・どうして、自分で帰らないの?
・仲間ってだれですか?
・訓練している時どんな気持ちですか?
その子の絵を見て、その子の国を調べて、その子の言葉を読んで、みんなが想像して出てきた質問たち。

『絵からの感情を読み取り、調べていくとさらに深くてもっと知りたくなった。』(RSより)
『その子のいろんなことが気になった。』(同)

みんなのもっと知りたい、という気持ちがあらわれていました。

二日目。J先生の省察。
「世界にはこんなに苦しい人がいるとわかった」とRSに書いている児童の発言。「他の国と日本では差があると思った。日本のはな子さんはそんなに困っている感じがしない。食べるものがないという心配がない。」「他の国は、学校に行ったりするよりもまず、食べ物を探したり、食べ物を買うお金になるようなことをしなくちゃいけない。」
何人かの児童の発言の後、グループワークへ。インドネシアのカリムさんが「お家に帰りたい」と言っているのに、なんで帰らないのだろう?ということを班ごとで話し合って、発表する。班で考えたものには、
・前は自給自足だったけど、作物が育たなくなって、金(食べ物)を求めて都会に来たから、帰ってもしょうがない。
・人と離れるのがつらい。
・家がどこにあるかわからない
といった言葉がでました。人と離れるのがつらいというのは、都会に出てきて友達になった人たちと離れるのがつらい、ということだそうです。
みんなとてもよく考え、想像している。世界を覆う問題や、人の心の動き。
後半は、《外国から来てくれた五人のみんなを鹿野学園に迎える会》。
班のなかの一人がその子になり、他の人たちからインタビューをうける。最後に、その子が幸せな気持ちになるような何かをみんなで一緒にする、という会。
その国の国旗をモニターに映し、その国の音楽が流れる中で、発表。
質問と答えは、
・一日に4時間、水くみをしている子への質問「他の人のためにやるのは、つらくないの?」「みんなの笑顔のためにやっているので、つらくない。」
・兵士の子への質問「友達はいますか?」「兵士の友達がいます。」
・路上生活をしている子への質問「どうして食べ物じゃなくてボンドを買っているの?」「食べ物より安いから。それしか生きる方法がなかったから。」etc..
最後に一緒にすることは、
・車で水くみに行く
・九九
・屈伸
・じゃんけん
・トルティーヤパーティー
というものでした。質問と答えは、ふーむ、と頷けるものがたくさんありましたし、一緒にやることもバラエティ豊かで、かつ、ほんわかと楽しくなるようなものでした。
みんなの、その子を身近に感じて想像する力、人を思いやる力が本当にすごいなと思いました。

『その子がどれだけつらかったなど心が読み取れる気がした。』(RSより)
『つらそうにしている子を支えてあげたい、楽にしてあげたいと思った。』(同)

また、J先生の子どもたちの中に入って一緒に楽しんだり考えたりするところやみんなのいいところを褒めるところ、安心感を軸にクラスを良くしていこうとされる姿勢が、いつも本当に素晴らしいと思います。
流沙川の最上学年である5年生の皆さんの素敵な姿を見せていただき、とても豊かな時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。