鹿野学園4年生④「ダンスワークショップ」(2020年11月)

☆オリジナルダンスをつくってみよう2
進行:ふじちゃん=藤田善宏さん(ダンサー)
コーディネーター:児玉龍太郎さん(青学LCD特別研究員)
補助者・記録:中垣、藤木、奥田(鳥劇) アドバイザー:苅宿俊文先生(青学LCD/鳥劇教育アドバイザー)

■1日め—[WS]11/5(木)5・6校時13:40〜15:15 @流沙川体育館

1. 文化祭ダンス披露
「文化祭でやったダンスをぜひふじちゃんに見せたい!」という子ども達たっての希望により、衣装をつけてステージでダンス披露。「すごいね!」とふじちゃん大喜び。

2. ストレッチ
普通に前屈してみる。次に「ふにゃ〜」と言いながら前屈してみる。「前よりついた人〜?」半分くらい手を挙げる。「脳みそが素直なんだよ。脳がイメージすると体に反映される。」

3. 二人組で相手の体を操る(自動車運転)
説明もそこそこに、わくわくが先に立ってやり始め、走った男の子がぶつかってしまった。
「二人で手のひらを合わせて進む。相手を感じる。手のひらにはたくさんの神経がある。言葉は使わない。止まったり、押したりして進む。ふじちゃんが運転手、先生は車。」
良い例と悪い例を実演。
「ぶつかったら運転手の責任だよ。危なかったら止まってよ。」
ただ手と手を合わせて進むという動作をするのではなく“車と運転手”をしっかり“イメージ”させるのがいいなと思いました。「安全運転」安全にというルールの面でも、「自動車運転」を楽しむゲーム性の面でも。

4. 二人組で相手の体を操る(自動車運転)発展
「レベルが高いことをやるよ。4年生はできるかな?」
車は目をつぶり、完全に運転手に操作される。
さらに、見学の大人たちを巻き込み「歩行者がたくさん通るよ。ぶつからないように運転してね。」
次のワークに行こうとするも、子ども達から「もっかいやりたい!」の声。
「じゃ、ラスト!どっちか運転手決めて。」

5. 二人組で相手の体を操る(マネキン)
「人形にな〜れ!」1人がマネキンに。そのマネキンを自由に動かしてみる。
子どもをマネキンにして先生がいろんなポーズをさせる。
「やられたらやり返す!倍返しだ!」
先生をマネキンにして子どもが先生にポーズをとらせる。
大爆笑。
二人組になってやる場面でも、ポーズをとらせたり、持ち上げたり、盛り上がりました。

6.二人組で相手の体を操る(マネキン)発展
二〜四人組。タイトルをつける。値段もつける。
ふじちゃんは各グループを回り「これ何?」マネキンを動かしイメージを追加してあげる。
「最後に自信作つくって!」

7. オリジナルダンス(新しい振りを1つ追加)
ふじちゃんホワイトボードの方へ移動。「二人組の何がある?」
「集まって!」とも「聞いて!」とも言ってないのに子ども達も当然のようにふじちゃんの方へ移動。どんどん声が「風車!」「しゃんしゃん!」「山!」
ついてこないで後ろの方でふざけている子達も6名程。
そのまま進行。
「不思議な振りするよ。見てて。」
近くで見ていた子達はすぐにその振りをやってみる。「できたぁー!」の嬉しそうな声。
やる気のある子が練習している間に、先生とふじちゃんはこうやるんだよと6名のフォローへ。
音楽に合わせて踊ってみる。
「あと二つ足せば曲ぴったりになるね。何足そうか?」
子ども達「トリピー!」「コマ!」
「完璧!!」
音楽に合わせ、ノリノリでダンス。
「ヘイ!」「ヤッホー!」のかけ声もとっても元気でした。

8. 円形に発展させダンス
本来はリフレクションシート記入の時間でしたが、「先生に教えとくから」に子ども達から「やだ。やりたい!」の声。「……やろうかー!」ふじちゃん一瞬悩むも、子ども達からあんなに素直にやりたいと言われたらね。
急遽、翌日にやるつもりだったダンス陣形をやることに。

終了時間になり「自分に拍手〜!」とふじちゃんが言うと、「すごいね!」「すごいね!」と言いながら友達同士お互いに拍手で称え合う子ども達の姿が。
みんな本当に満足そうな笑顔でした。

■2日め—[ふりかえり・もっとやってみる]11/6(金)5・6校時13:40〜15:15 @流沙川体育館
J先生「昨日、ダンスの授業が終わったあと、見てくださった先生たちとお話ししたんだけど、そこで、先生聞かれたことに答えられなかったんだ。それで、皆にも一緒に考えて欲しいんだ。いいかな?」
と言い、ホワイトボードに紙を貼る。そこには、
〈ダンスが楽しい!…なぜ?〉
「先生、こう聞かれて、うーん?ってなっちゃったんだ。皆は、なんでだと思う?」
考える子どもたち。出た答えは、
・友達と一緒にやるから
・自分で考えたことをやったから
・みんなで協力してやったから
・みんなでおもしろいダンスをしたから
・仲良しでやったから
・話しあった(みんなで)

「なるほど〜。先生、もう一つ聞かれたんだけど、やっぱりうーん?って答えられなかったことがあるんだ。これも、皆に一緒に考えて欲しいんだ。」
そして貼り出した二枚目の紙には、
〈クラスがまとまっている…なぜ?〉
子どもたちの答え
・個人個人の気持ちが、よく一致するから
・マイナスなことを言わない
・一人ひとりの思いやりがあるから
・協力している
・違う意見の人もいるけど、譲り合う
そして、
・先生がいいから 
という意見も!J先生が子どもたちに信頼され、慕われていることがよくわかります。

皆の意見をうんうんとうなずいて聞いていたJ先生、
「そうだよね。それはやっぱり、こういうことだと思うんだ」
と貼り出した3枚目の紙には、
〈みんな一人ひとりが大切なメンバー!〉
と書かれてありました。
「この中の誰か一人でも欠けたら悲しいよね?誰かが悲しそうだったら、皆放っとかないよね?一人一人が、大切なんだよ。」
ちょっと照れくさそうな、でも笑顔で先生の話を聞く子どもたち。

そして、昨日の楽しかったダンスを映像を見てふりかえり。
そしてまた実際動いてやってみよう!
二人組で手を合わせて車と運転手になった動きを、J先生はバイクバージョンにアレンジ。
一人が前を向き、バイクになる。もう一人が後ろからバイクの人の肩に手を置き操縦する。バイクの人は目をつぶる。
ブルルン〜!とエンジンをかけ、みんな楽しそうに運転。
そしてさらに、運転手を交代する、しかも、言葉を発しないで交代してみよう!というJ先生の提案に、皆「えーっ!!」
…といいつつ、実際にやってみると皆お互いに黙ったままアイコンタクトや身振りで、
「交代する?」「交代しよう!」(実際に声はだしていない)
と意思の疎通ばっちり!やったことのないやり方で友達とコミュニケーションをとることを、とても楽しそうにやっている。
何回か運転手が入れ替わったあとストップし、バイクの人が目を開けるといっせいに、「えーっ!」「予想と違った〜!」「やっぱり〇〇ちゃんだった!」
などなど、子どもたちの歓声。中にはハイタッチしたり、抱き合う子どもたちも。
バイク同士や歩行者にぶつからないように気をつけること、それに加えて言葉を使わずにお互いがコンタクトを取り合って交代すること、とても高度な技だと思いますが皆積極的にやっていて、本当に楽しそうだったのが見ていて印象的でした。

そのあとはマネキン。これも昨日に引き続きいろんなポーズを発明し、あちこちで笑いが。
鳥劇の大人たちもマネキンになり、子どもたちにポーズをつけられました。
足を片方上げるキビシイ姿勢をとらせたあと、違う子がその足をそっと地面につけてあげた、という子どものやさしさを感じるエピソードもありました。

最後は昨日ふじちゃんに教わったダンスをやってみよう!
音楽を準備している間に踊り出す子どもたち。
踊ることが楽しくてしかたない、というかんじでした。
円になり、ペアの人が入れ替わるのもやり、音楽もいつもよりアップテンポのものをかけて踊ってみました。皆、本当に楽しそうに踊っていました。

今回のダンスワークショップは、ふじちゃん、J先生、4年生の皆、それぞれがエネルギーを出し、呼応しあい、とても楽しい空間と時間が生まれていたなぁと思いました。
この場に参加させていただいて、私もとても元気をもらいました。
自分たちが楽しいということが周りの人にも伝わって楽しい気持ちにさせてくれる、それは素晴らしことだなと思いました。