青高⑨「思い出劇アルバム(2)〈メインビジュアルをつくろう〉」(2021年1月)

☆活動目標:これまでに学んだことを生かして、思い出劇タイトルのメインビジュアル(表紙)という、自分たちのオリジナル作品をつくりあげる。
☆学習目標:前回作った劇を分析しながら、自他理解を深める。人に伝えるための視点や見せ方を意識し、デザインの模倣に留まらず、増幅したり逸脱したりしてつくることの、面白さと難しさを体験する。

2021年1月13日(水)3・4校時(10:45-12:15※短縮授業) @美術室
進行:中川・武中・越後 記録撮影:筧・藤木

0.事前連絡
 この回は公欠の生徒さんが多いと聞いていたので、事前に全員に内容共有。先生方が公欠の人たちからのリクエストも事前にまとめてくれ、これまでの芸術系授業で使ったことのある道具なども用意してくれたおかげで、スムーズに導入できた。
1.説明〈みんなで〉 10min
 例を見せながら、今日の活動内容を説明。 
2.メインビジュアルをつくる 前半 35min
 2班と4班のメインビジュアルを実際に作ってみる。
 1班と3班の人もどちらかを手伝う。
 作りたいイメージによって、【iPadやPCで作業】か【手作業】か、使い分ける。
3.メインビジュアルをつくる 後半 35min
 1班と3班のメインビジュアルを作る。
 2班と4班の人は前半でできたものをさらに良くするか、他の班を手伝う。
4.リフレクションシート記入 10min

前回行った『思い出劇アルバム』の、タイトルのメインビジュアル(表紙)を作ろう、という今回は、公的都合により欠席の生徒が多かったため、出席していた9人の生徒たちで、いない人の分の作業も担うことになった。
自分の分を作るには自分なりのイメージがあると思うが、人の分を作るとなると、難しい。前回の映像を見たり、思い出アンケートを読み返したりして、なんとかいない人の意図を汲み取ろうと考えを巡らす生徒たち。
二手に分かれて、お互いいない人たちの分も含めて作り始める。実際紙に下書きを書いてからペンや絵の具、クレパス、墨などで描いていくグループ、iPadで画像に手書きのタイトルを添えたり、実際の思い出の写真にタイトルを付けたりするグループと、アナログ手法とデジタル手法の両方があった。
手描きで進めていたグループでは「『喜び』って、何色だと思う?」「うーん…暖色系じゃない?」「そうだよね。じゃあ、『何気ない』は、寒色系でいこう!」と、会話の中から『何気ない喜び』というタイトルの色が決まったり、iPadを使ったグループではどの画像を使うか話し合ったり、偶然に美術室の壁にあった過去の生徒の作品や、鳥劇スタッフの着ていた服でイメージに合うものがあり、その場でそれらを写真に撮って使ったりと、どちらのグループも、人とのやりとりやその場の閃きの中で生まれていくものがあった。
みんな最初の一枚に取り掛かるまでは時間がかかったが、その後は集中して怒涛のように作品が生まれていった。
その後、手描きで描いていた生徒もデジタル作品を作ったり、デジタル作品を連続して作っていた生徒も、先生から「絵が得意なんだから、絵で書いたら?」と言われ、「いや〜、写真にはかなわないっすよ〜。」と言っていたが、最後は写真を見ながら似顔絵を手描きで描いたりと、手法も一辺倒ではなく多様性がうかがえた。
そのほかにも、「タイトルで(内容が)わかったらつまらないしなぁ〜。」と悩む姿や、欠席の人に事前にお願いしていた要望の用紙に、『要望:とくになし』と書かれていてそこから何を作ればいいのか…と、頭を抱える姿も。
自分自身の思い出劇のビジュアル作りは、実際に思い出にまつわる現物を持ってきてレイアウトして写真を撮ったり、実際の思い出の写真を加工して作ったり、半紙に書でタイトルを書いたりと、自身で納得のいくものをそれぞれ創作していた。
それに加えて今回は他人の思い出劇のビジュアルを作るという難題があったが、みんな時間内にほぼ作りあげていたのには、先生方も感心しておられた。
次回は、いよいよ思い出劇アルバム最終回。今日作ったメインビジュアルのタイトルから始まって、思い出劇を生で上演!
…え、また実際演じるの…?と、前回演じきった感のある生徒たちはちょっと引き気味の様子でしたが、やはりここは映像ではなく、生身の身体での表現、やっていただきましょう!そのひと時もまた、みんなの思い出のひとつになることを願って。