青谷高校 2017年9月レポート

■2017年9月6日(水)10:55~12:35
演劇ワークショップ
鳥取県立青谷高校
1週間前の前回8/30は、導入として身体や言葉を使った簡単な演劇ゲーム(全員で行うものやグループに分かれて行うもの)何種類かを実施した。校外からやってきた鳥の劇場の俳優たちや、ふだん接点の薄い同級生と関わることを通じて、「他者を認める」「他者と協働する」ことに慣れてもらうため、グループが固定化しないようシャッフルも適宜行なった。
そうやって体と空間をたくさん動かした前回に対し、今回は戯曲を使う。
高校生に馴染みやすいと思われる戯曲、畑澤聖悟作『修学旅行』を、どの程度受け入れてくれるか反応を見ながら、3グループに分かれて輪読していった。各グループとも鳥の劇場の俳優がリードして、その場その場で役を入れ替えながら少しずつ読み進めていった。「この人どんなキャラっぽい?」「なんでこうしたんだろう?」など、場面ごとに登場人物の性格や行動の理由を問いかけも入れ、ただ単に文章を声に出すのではなく、描かれていることを立体的に想像できるようにしていく。初めは取り組むことに難色を示していた生徒もいたが、自分たちに近い設定の作品で読みやすかったこともあり、徐々に戯曲の世界に入り込んで行き、その世界を楽しんでいたようだった。

■2017年9月13日(水)10:55~12:35
演劇ワークショップ
鳥取県立青谷高校
前回同様『修学旅行』を、戯曲解釈しながら輪読した。ただ単に、こちらの解釈を説明するのではなく、描かれている事柄への問いかけを挟みながら進行させ、生徒たちが「自分の解釈(考え)を言う」ように心がけた。答えが返ってこない場合は、質問や問いかけ方を変えて、それぞれの言葉を少しずつ引き出すようにも気を配った。
最後まで輪読した後、グループをシャッフルし、『修学旅行』の中で自分たちが好きなシーン、興味を持ったシーンを選んでもらい、それを演じてみた。解釈を元にセリフを声に出したり、少し感情を入れてみたり、動きをつけてみたりと、あまり馴染みのない「戯曲」を通じ、日常から少し離れて「演じる」感覚を体験してもらう。
ただの体験だけではなく、「みんなの前で発表する」という課題も設定した。そのため「どのシーンを選ぶか」、「解釈が違う時はどうするか」と互いに関わらなければならなくなった。「他者と協働してひとつのものに取り組む」ということに慣れてもらい、その苦労の先にある充実感を感じてもらうことを狙った試みだったが、グループによっては、まとまらなかったり、喧嘩がはじまったり、ふざけあったりする場面もあった。
最後の発表(リーディング)では、工夫しているグループもあり、楽しんでいる笑顔も見受けられた。

■2017年9月27日(水)10:55~12:35
演劇ワークショップ
鳥取県立青谷高校
前回までの実施を踏まえ、生徒たちの「演じる」ことへの抵抗感が強いと判断し、頭を使わずに体を動かすことを重点的に試みた。まずは鬼ごっこ。生徒たちから希望の“鬼ごっこ”を募り「手つなぎ鬼」が選ばれた。「ゲームのバランスを保つために、適切なルールが必要であること」「そのルールを自分たちで考えながら決めていくこと」を感じ実践してもらうべく、生徒たちから、より鬼ごっこを面白くするためのアイデアを募り、鬼の数やその他のルールを変えながら何回か実施した。
その後、より“演劇的”に体を動かすことを目指して、一番遅くゴールした人が勝ちの「スローモーションレース」を実施。
次に、「他者を観察し受け入れて、協働する」ことを目的とした「リーダー当てゲーム」。グループに分かれ、それぞれのグループでリーダーの動きをグループのメンバーが真似し、他のグループにリーダーが誰なのかを悟られないようにするワーク。観察し動きを合わせるために強い集中が必要とされる。集中出来ず、飽きてしまうグループもあったが、人前で何かをすることへの抵抗は少しずつやわらいでいるように感じられた。